今日
私は、農道を歩く。
畑に芽吹いた小さな草花、大きな草花。
そのどれもに朝露がついている。
その朝露は、春前の朝の冷たい熱で凍っている。
土も凍っている。実も凍っている。水も凍る。
そして私たちをも凍らせるのだ。
日が昇ると、陽の光が熱となり、私たちを溶かす。
私たちを凍らせていたのは水だ。
体内の、空気中の。
そのどれもが溶けた時、私たちは息を吹き返す。
水は私たちに潤いを与える。
それは息吹だ。生命の息吹だ。
鳥が空を飛ぶ。草花は大きく身を震わせる。水は流れを取り戻し、私は歩く。この果てしなく続く農道の上を。
そうして夜が来て、また朝が来るのだ。