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ダンジョンの現状

不定期投稿です。

ご了承ください。

気がつくと、どこかの洞窟の中にいた。

天井が土だから気がついたのであって、周りを見回しても自分の部屋と何一つ変わりがなかった。


「お目覚めですかマスター」


いや違うことが一つだけあった、ベットのそばに青い半透明の女の子がいた。

半透明の少女は僕を覗き込み、僕が無事に起きたことを確認するとニッコリと微笑み、すっと僕から離れた位置に立って?いる。

起き上がりながら少女に聞いた。


「君は?」


「はじめまして、私はこのダンジョンでマスターをサポートする役目を持って生まれたプリンセススライムです」


「ダンジョン?ここが」


「はい、現在は私が作成した基本状態ですがマスターの好きなように作れます」


「その情報、画像に出せる?」


「もちろんです……やっていただけるので?」


「悩んだりしそうなもんだが、まあなんとかなるか精神でいきましょう」


「名前もつけたほうがいいだろ、いつまでも種族名じゃまずいしな」


「ありがとうございます」


「お前の名前は葵だ」


「葵、わかりました。これからは葵と名乗らせていただきます。そして、こちらが現在のダンジョンの見取り図です」


そう言いつつ、渡されたタブレット型端末のようなものに目を向ける。

現在は三層構造の複数のフロアのある目新しいもののないただのダンジョンである。

いや、この情報だけは見逃せないだろう。


「アイテムボックス収納可?!」


「はい、サポーターが私だからというのもありますが、私がダンジョンの外壁から何から何に至るまで同化してしまったからかもしれません」


「同化できるの?」


「はい、ごく簡単にとまではいきませんが、マスターの魔力を使えばそんなに苦ではありません。現にマスターが目覚めるまでのおおよそ二時間で掌握が完了しています」


「そりゃすごいな」


「マスターのご要望があれば、トラップの複製も可能です、ただ最初につくるためにはどうしてもダンジョンポイントが必要になりますが、同化しさえすればいくらでも複製できます。無論それ相応の魔力は必要になりますが、今のマスターなら、二十四時間体制で現状トラップを複製してもお釣りがくるだけの魔力と魔力回復量があります」


「モンスターは?」


「今のところ、このダンジョンそのものが私だと言っても過言ではありませんが、現在作り出せるのはノンコアモンスターでもスライムだけです」


ノンコア?と疑問に思っていると、


「ノンコアとは核がないこと。核、つまり魂のないモンスターです。スライム以外はノンソウルモンスターといいます。このモンスターたちは基本的に使い捨てですが、まれに魂の宿る個体が生まれることがあります。スライムに関しては、ノンコアの方がにコストパフォーマンスがいいですがコア入りだと、まれに生まれた時点で進化をしていることもあります、基本的には長い目で育てる大器晩成型ですね。今のところは、これだけです」


「つまりトラップは潤沢だが、今のところモンスターはスライムだけ。なかなかやりづらいな」


「申し訳ありません」


「いんや、謝る必要はないさ。それよりもこれ一体どうしたんだ?」


見せたのは先ほどよこされたタブレット型端末、うちの家にはなかったものだ。


「マスターの記憶を一部共有しておりますので、これは使えると思ったのでノンコアスライムにいくつかのスキルをつけて、成形したのです」


「ん、これもモンスターなのか?」


「厳密には、ですが」


「ほかにも作れるのか?」


「ある程度の内部構造と外装さえわかっていれば、再現は可能です」


このあたりには聖国なんて魔物排斥主義の塊のような国があり危険度はそれなりに高い、下手をすると聖騎士がやってきてここが制圧されかねない。

それはダンジョンマスターの死を意味する、ならば手段の一つとして考えておくべきだろう。


「なあ、こんなのも作れるのか?」


タブレットソ少しの間操作して、タブレットに映し出したものを見て、葵が笑う。


「少々お時間はいただきますが、可能です」


「変形機能は?」


「そちらは難しいので、形態変化のスキルをつけて対応します」


「ならこれが一番最優先事項かな。これ作成と並行する形でダンジョンをこれに組み込んじゃって」


「わかりました、おおよそ五日で試運転できる状態まで持って行けます。小さい模型を作って、色々確認したほうがいいですか?」


「そうだな、いざって時に、問題が発生しましたじゃ困るからな。実際の海の環境を再現する必要もあるか?」


「そこらへんもお任せ下さい、最終的には地上も移動可能にしてみせます」


「任せた、モンスターに関しては腹案がある。ノンコアスライムをいくらかよこしてほしい、無論このダンジョンに問題のない範囲でだ」


「わかりました、早速作業に入ります」


そう言って葵は部屋のドアを開けて出て行った。

出て行ってそれほど経たずに俺の持っていたスマートフォンにメールが入る、確認するといつの間にか登録されていた、葵のメールが届いていた。

問題ない範囲でと言ったが、二十匹とは大盤振る舞いである。

改めてノンコアスライムの情報を眺めていくと、最後に面白い文が表示されていた。


「これは使えるな」


とりあえず、外の状況を確認することから始めよう。

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