8/22
8
「〆切が明後日っての、辛いな。休みのうちに終わらせるしかない……。待てよ? 作業資料持って来たっけか!?」
越谷は慌てて、ネットブックを取り出し、立ち上げた。起動するまで落ち着かず、またタバコに手が行く。タバコを半分ほど吸って、立ち上がったネットブックを確かめる。
「あった~。ふう、ビビった」
「おめでとさん」
「全然めでたくねーのよ。仕事が1つ増えた」
「『愛』なんだろ?」
「はいはい、その通り。――ん。メールだ」
越谷のポケットの中で、アニメの着うたが流れている。どっこらせと取り出した。確認している。
「――ほう。沢からだよ。都合が付けば会わないか、だって。あいつもこんな時間まで、何やってんだか」
「呼ぶか? 久しぶりに」
「お前がいいなら。須田にも言っといた方が良くね?」
「メール入れとく。沢にレスして。ここまで来いって」
「らじゃ」