最終章
沢を寝かせ、タバコに火を付けた江島が、
「お前らどーすんの? まだ飲むわけ?」
「さすがに帰るよ。須田は?」
越谷もタバコを吸いながら言った。
「オレも帰る。明日も出勤だし」
須田はバッグを肩にかけた。
「悪かったな、とっ散らかして。それ吸い終わったら行くぞ、越谷」
「ん。らじゃ」
「まあ、大掃除のいい機会になったよ」
「すまなかったね。――よし、行こうか」
灰皿にぐしぐしした越谷が言った。
「おじゃましたね」
「んじゃ」
越谷と須田が帰り支度を終え、玄関で言った。程よく酔っていて、酩酊感が心地いい。
「いつものことだ。じゃな」
『おやすみー』
1階まで下りて、越谷は須田と別れた。少しふらつきながら自転車をこぐ。
何のことも無い、いつもの集まり・大騒ぎ。だが、それは越谷自身にとって、おそらく他の友人たちにもとって、大切な時間だったろう。いつまで続くかは分からないが、今この時だけのかけがえのない時間。その共有は何にも代えがたいものだった。
――ぼくらの明日を探す、時間と空間。いつまでもありたい、時間と空間。
了
半分実話のこの作品。
いかがでしたでしょうか?
友人はいつになっても、大切な財産だと思います。
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読んで頂き、ありがとうございました。