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「越谷さー。体脂肪率っていくつ? オレなんか、おなかつまんで引っ張れちゃうんだぜ?」

 沢が言いつつ実演。

「んなトコ見たくねー。前に測った時は9%だったかな?」

「お前、ケンカ売ってるだろ? あと4%減ったらイチローだぞ?」

「物知りなんだな、沢。イチローって、体脂肪率5%なのか。『ユンケル』飲んでて」

 沢は、

「ダメだ。話にならない」

つぶやいた。

「そりゃ、すまんこった。江島。タバコ買って来る」

「おうよ。好きなだけ買って来い」

「オレも行く。切らしてた。今日は職場で2箱空けちまった」

「死ぬよ? そのうち」

 江島が、怒っているのか嘆いているのか分からない表情で言った。

「人はいつか死ぬ。行こうぜ、越谷」

「ん」

 少しだけ越谷はふらついた。酔っているようだ。それでも靴を履くと、

「じゃ、行くでー」

言いつつ、玄関を出た。とたん、夏の夜の熱い風に包まれる。それでも閉塞した空間に長時間いたからか、心地良く感じられた。越谷は思いっ切り伸びをする。もう少し飲ませてもらおう。そんなことを考えながら。

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