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腕を組んだ沢は、
「人出が足りない職場らしいしな。良くやってるよ」
「肉体労働はこたえるけどね。まあ、自分が望んだ道だし」
2缶目を、沢と同時に開ける。
「それでも、ある程度はもらってるんだろ?」
空き缶をキャッチした江島が訊いた。
「まーなー。手取りで言えば恵まれてる方かも。休むヒマなんて、仕事始まったらこれっぽっちも無いけどさ」
「タバコは?」
「休憩時間に辛うじて1本。キツい」
江島の問いかけに答える。
「オンライン化されるのを、ホントに待ってたよ。データのやり取りだけで、休憩時間なんて終わってたし。メインで使ってるソフトは使い勝手悪いけど、無いよりはマシかな」
「何事もPCか。オレも多少は扱えないとなあ。――ツマミあったんだった」
沢が柿ピーを出した。プリングルスもある。
「これなら江島も食えるだろ?」
「ありがとさん」