プロローグでは終わらない
これは連載中の『ハーレムエンドでは終わらない』を改稿、手を加えたものです。
平凡で何の取り柄もない自分に何ができるのか。それを探す為に家を出て一人暮らしを決めた。
それは、自分の中にあるエゴがそうさせた。
新しい生活には大分慣れたはずで、だけどまだその〝自分にできること〟は見つからないまま。
だと言うのに、流されるようにたどり着いた場所は──
「どうした少年。いつもみたく、私に抱きつくがいい。心からもてなしてやるぞ」
「会長!悠人さんは将来を約束した『私』とイチャイチャするんです!悠人さんに近付かないでくださいっ!」
「せんぱいとイチャイチャするのは私ですよっ。胸が大きいだけの副会長は黙っていてください!」
「……悠人。スカートの中……興味、ある?」
この脳細胞が桃色に染まっている生徒会だった。
無茶苦茶言う生徒会長さんに連れて込まれたのは何故か。
未だにわからない。
「いつもって、そんな誤解を生むようなこと言わないでください。将来を約束してませんしイチャイチャもしません。それと、スカートの中とか女の子がはしたないです」
変に色付いたボケに突っ込む僕。
「私の愛はいつでも悠人さんを迎え入れますよ!」
「はるとせんぱいは誰にも渡しません!」
「悠人……ぽっ」
どこで間違ったのだろうか。
この学校に入ったことだろうか?それとも、会長と出会ったことか。
僕、時峰悠人は平凡で特記することなどないどこにでもいる高校生のはずだった。
「さぁ、始めようか。生徒会を」
転校して、生徒会に入るまでは。