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百遍百万遍

森芭蕉と行く、酒の細道

作者: 天本有泉

●はじめに

松尾芭蕉(まつおばしょう)が、江戸時代の人で、俳句を作っていた。

俳句の神様的存在で、当時、主流だった連歌のなかから、俳句という形式を確立し、水戸黄門などのテレビ番組にたびたび登場し、大抵の日本人の知るところの人である。

「古い池や かわず飛び込む 水の音」「静かさや 岩にしみいる 蝉の声」「夏草や つわものどもが夢のあと」などの俳句が次から次へと記憶され、伝承されている。

記憶力の衰えてきた、私でも、すらすらと、いまだに、覚えているのは、作者、松尾芭蕉が、あまりにも偉大な、そして、ある意味、天才なのでしょう。


●松尾芭蕉って 

あまりにも長い距離を、東海道から、東北、北陸を歩いて、旅したことから、忍者、隠密などなどささやかれていますが、芭蕉ほどでなくても、芭蕉の心意気を感じて、俳句をたしなむことは楽しいことです。


●森芭蕉誕生

私に、俳句作りを誘ってくれた方に、敬意を表し、ここでは森芭蕉と呼びます。

ここからの話は、森芭蕉と、奥の細道ならぬ、酒の細道、西宮から魚崎、住吉など、阪神電車沿線の酒蔵を訪ねます。

奥の細道は、三月のつごもり(旧暦3月27日、いまでいうところのゴールデンウィークの少し前)に、芭蕉庵から出発しました。

私どもは、10月の三連休のなかびに日帰りで強行しました。


●「おわり」からはじめる

名古屋は、昔、おわり(「尾張」と書きます)と言われていました。

はじめから始めるではなくて、終わりからはじめるというのが、面白いと思ふ。


●現代流に

歩いていくというのも一興なのですが、今回は、鉄道を使います。

近鉄名古屋から近鉄なんばへ行く。

なんば駅で降りてそのままのホームで待つこと五分、阪神なんば線がやってくる。二十分ほどで西宮へ移動し南へ十分ほど歩くと白鹿酒蔵だ。


●白鹿酒蔵にて

挿絵(By みてみん)

鹿は五百年から千年で白鹿になるという。挿絵(By みてみん)

酒をのみて陶然として詠める歌二首。

「夏越した 風味を語る 酒林」(芭蕉)

挿絵(By みてみん)

杉玉がいい感じだ。ちょっと杉玉の由来を知っていた方が楽しい。


WIKIPEDIAから

杉玉すぎたまとは、スギの葉(穂先)を集めてボール状にした造形物。酒林さかばやしとも呼ばれる。日本酒の造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる役割を果たす。「搾りを始めました」という意味である。

吊るされたばかりの杉玉はまだ蒼々としているが、やがて枯れて茶色がかってくる。この色の変化がまた人々に、新酒の熟成の具合を物語る。

今日では、酒屋の看板のように受け取られがちであるが、元々は酒の神様に感謝を捧げるものであったとされる。

起源は、酒神大神神社の三輪山のスギにあやかったという。俗に一休の作とされるうた「極楽は何処の里と思ひしに杉葉立てたる又六が門」は、杉玉をうたったものである。

スギの葉は酒の腐敗をなおすからスギの葉をつるすという説もある。


なにげなく酒屋だの、居酒屋などにかかっている、杉玉。ちょくちょく見かける杉玉=酒林で、神にささげてなんてわかると奥の深さを感じるわけだ。

また、杉玉の色から、夏を越した酒というのも、わかるわけだ。


「灘の蔵 柿の実たわわ 酔い散歩」

挿絵(By みてみん)

酔い=良いでしょうね。

ただ、これだけでは、つまらないと芭蕉はいうわけです。

柿には、確か、バソプレシンという利尿促進の働き(おしっこにいきたくなる)をするホルモンがたくさん入っていたはずで、だから、体の循環をよくし、二日酔いにもよいともいうわけだ。

そこを柿の実から感じ取ってほしいというわけだ。

いわれてみないと、わからんだろうが、、、と私は思うのだ。

そこが表現できるように、熟考するそうな。

本物の芭蕉も、「五月雨を 集めてすずし 最上川」から、「五月雨を 集めてはやし 最上川」に後から変更したように、俳句作りは奥が深いらしい。


その後、西宮駅方面にある白鷹禄水苑はくたかりょくすいえんに戻ります。無料ではありませんがワンショットテイスティングバーや蔵barでは昼下がりの一杯セットなど酒肴を楽しみます。かにみそやらなんやらいただきました。


さらに、阪神電車に揺られて大石駅でおりて沢の鶴 、住吉駅で降りて、白鶴 菊正宗 櫻正宗 と渡る。剣菱は見学はないので前をとおるだけですが、気分は盛り上がります。さらに、見学と試飲ができるならいうことはありませんが、、、挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

最後に、魚崎駅から阪神電車にのれば、すぐになんばへと戻ります。





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