死を決意して見えた光景
掲載日:2010/10/27
私は今、生きている。しかしながら、過去一度死のうとした事があった。其れまでの過程を語る気は無いが、その時見た光景を浅い記憶だが、ここに残そうと思う。
死を決意し、私はODという選択をした。薬を大量に摂取する。気分は落ち着いており、いや落ち着き過ぎていたかもしれない。辺りの空気が速く流れているような感覚に陥った。
人々の動きがやけに慌ただしく感じられ、普段ならば雑音に聞こえるような、ざわめきも人々の声も、車やバイクの音ですら全く気に障る事のない、穏やかな音に聞こえた。
自分が死のうとしている事を周りの人間は知る由も無いにも関わらず、その行為を『止められるのではないか』とビクビクと辺りを見渡す。辺りの人、子供達は関係の無いように過ごしていた。やがて静寂に包まれたように静かになり、音も無く人々が動いている。映画のワンシーンを無音で尚且つ、スローモーションで見ているようだった。
そして私は、薬の作用により、眠りに墜ちていった。
しかし、私は生きている。生きているからこそ、ただ生きているだけの者には絶対に見る事の出来ないモノを見た。
浅い記憶の為、これ以上思い出す事は出来ないが、これは人生において貴重な経験をしたと今は思っている。




