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不適合者のビーズ使い  作者: パシパシ


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9/25

魔人襲来後

三人組のその後


 異常事態から一夜明け、学園は混乱に包まれていた。


 颯馬は左腕を失い、絶望に沈んでいる。

 悠真は致命傷を負ったが、必死の治療で命は繋ぎ止められた。長期療養は避けられない。

 沙耶は仲間を救えなかった自責と、恐怖に打ちのめされていた。


 ――彼らが再び以前のように振る舞える日は、当分来ないだろう。



学園の謝罪


 幸い死者は出なかった。だが、負傷者は多数にのぼる。


 保護者や民衆から非難の声が殺到し、学園は謝罪を余儀なくされた。

 「生徒の安全を守れなかった」と声明を出したものの、評判は大きく揺らいだ。


 学園長・加賀谷かがや 玄道げんどう は険しい顔を崩さず、報告を受ける。

「……民の目を誤魔化すことはできまいな」


 黒崎獅童は淡々と答える。

「恐らくだが――あれは魔人の仕業だ。ミノタウロスや人型スライムを呼び込んだのも奴だろう」


 学長は深く頷いた。

「重く受け止めよう。だが、今は騒ぎを収めるしかない」


 やがて学園は一時休講を発表した。

 ただし「希望者は登校可能」とされ、訓練の場は残された。



特別な呼び出し


 その日の午後。

 俺と蓮、澪、琴音の四人は黒崎に呼び出された。


「透と蓮には稽古をつける。……お前ら(澪と琴音)も来るか?」


 黒崎の問いかけに、澪は迷わず頷いた。

「透の力を支えたいから。私も行きます」


 琴音もきっぱりと答える。

「仲間が戦うのに、私だけ休むなんてできません」


 黒崎はわずかに口角を上げた。

「いいだろう。なら四人まとめて鍛える」



力の自己分析


 俺は透明なビーズを握りしめ、言葉を絞り出した。

「……恐らくだけど、俺の力は“守りたい”って強い意志を持った時に発動します。

 代償は魔力で、使い切ると体が動かなくなる」


 黒崎は腕を組み、じっと俺を見据えた。

「なるほど。では光永――お前はその力の本質が何だと思う?」


「……本質……?」

 思わず聞き返す俺。


 黒崎はそれ以上答えを与えず、ただ鋭い視線を投げかけてきた。

 ――問いの意味を、自分で探し出せと告げるように。



四人への言葉


 黒崎は視線を四人に巡らせ、低く言い放った。


「透は力の発動条件を理解しろ。無意識では命を賭けることになる」

「蓮は模範を示せ。お前が基準だ。仲間を導け」

「澪は回復の限界を知れ。無理な癒やしは仲間を殺す」

「琴音は風の精度を上げろ。ただの援護ではなく、守りの一撃に磨きをかけろ」


 重い言葉が胸に突き刺さる。

 俺たち四人は顔を見合わせ、それぞれにうなずいた。


 ――特別な訓練が、ここから始まる。

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