表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

「愛してるよ、小チー。」

スマホに届いた幼なじみからのメッセージを見て、思わず握りつぶしたくなる衝動に駆られた。

「おやすみ。」

もうあの甘ったるくてベタベタした絵文字は使わず、ただ二文字だけを返す。

一文字打つごとに、心が汚れていく気がした。

だって、彼女が浮気していることを知っているから。


彼女がいつからなのかは分からない。多分、高校一年の時から?クラスも違うし、高校二年になってからは彼女は文系、僕は理系を選んで、校舎も別々になった。唯一一緒にいられるのは休日か家に帰るとき、家の前で偶然会うくらい。

そう、今は偶然会うことしかできない。

それから、彼女はどんどん僕と距離を置くようになった。夕食に誘っても軽音部の練習だと断られ、朝一緒に登校しようと誘っても先に行ってしまう。やっと休日に遊びに誘っても、軽音部の活動があると言われる。道で会っても距離を保ち、手も繋いでくれない。

当時は、恋の熱が冷めてきた「倦怠期」だと思っていた。でも、ある日カフェで自習していた時、ロシュエンが隣のクラスの男子とレストランから出てきて、抱き合っているのを目撃した。その光景は一生忘れられない。

あの男、確か「子誠ズーチェン」って名前だったかな。

「なんでテスト前にこんなことするんだよ……」と、思わずため息が出た。

「今日はこの答案を提出しなきゃいけない。」

クラス委員長が話しているが、僕は全く頭に入らない。

「なあ、最近どうした?」

隣のクラスメートが僕を起こし、僕は笑顔だけを返した。

「いや、何でもない……」

「うそだろ、顔色悪いし、何かあったんじゃないの?」

「気にしないで、大丈夫だから。」

「彼女とケンカしたの?」

「……してないよ。」

「まあ、分かってるよ。」クラスメートは分かったような顔で言った。「ちゃんと謝るんだぞ。」

「……」

もう彼女のことは聞きたくなかった。

だから、机に突っ伏して頭を空っぽにした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ