世界の終焉
キーンコーンカーンコーン
放課後のチャイムが鳴る。
僕はただ、夕陽を見ていた。
「家に、帰らなきゃな」
ふぅ、と一呼吸おいて歩き出す。
いつもの通学路
いつもの交差点
いつもの信号機
いつもの……
ただ一点、そこにはいつもいるはずの風景がなかった。
いつもの駅。
ただ今日は最後尾で電車を待つ。
なぜだか今日はそんな気分だ。
電車が来る
いつもと同じように
迷いなく
一直線に
きっとこの電車と僕は同じなのだ。
決められた世界で毎日同じことを繰り返す。
くだらない道化。
けれどそんな退屈な日々とは今日でさよならだ。
今日をもって、「すべてを終わらせる」