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TS巫女の祈りが世界に届くまで  作者: ゆの
第一楽章・森のカルテット
6/21

町に向かうつもりが…

前回後書きのキャラ紹介文に髪型と髪色を追加しました。

今回からのキャラ紹介文にも記載させて頂きます。

もしキャラの情景をイメージする為に気になる人がいれば前回に戻って後書きをご覧下さい。


今回も、見覚えのあるまどろみからスタートです。


それでは!

 ガサガサ……ガチャガチャ…


 なにか長い夢を見ていたような気がする。朝を告げる騒がしい音を……。……なんか本当に騒がしい気がする…?



「ふあぁ……。どうしたの、お母さん……?」


「あっ起きたわねユズ。よく寝れた?」


「………ふえ?」



 ……そうだった。昨夜は焚き火を囲いながら、やさしいみんなに自分のことを色々話しているうちに いつの間にかまぶたが重くなってきたんだった。



「そりゃあそうよねぇ。記憶をなくして旅をしてたなんて、疲れてたでしょ?」


「う、うん……」



 まさか別に記憶喪失じゃないだなんてバレたら大変なことに……。 ん……? 面倒なことにはなりそうだけど大変なことにはならないかな…?


 …まぁ、それはそれでバレた時に考えればいいかな。



「………」



 ボクが少し考え込んでいるとチキさんもなにかを考えている様子だ。



「チキさん?」


「え? ……あぁ、そうね。 ………そういえばユズ、さっき寝ぼけて『お母さん』とか言ってたけどなにか思い出した!? それとも、私に母性を感じたとか…!」


「いえ、多分本当に寝ぼけてただけかと……」


「そう……」



 なんだろ、この絶妙に気まずい間……。


 チキさんと話していると、荷物をまとめていたリップが近付いてきた。



「ユズちゃんおはよう…! リーダーもおはようございます」


「リップさん、おはようございます。 昨日はお話の途中で寝てしまってすみませんでした」


「いいんですよ! ……ユズちゃんだって、疲れてただろうし……。 ぐっすり眠れたのなら良かったです! ふふ」



 リップさんは、眩しい笑顔でボクを気遣ってくれる。


 リップさん、人見知りだったりするのかな? 初めは遠慮しがちな感じでボクに接してたけど、昨日もお互いのことを話しているうちに打ち解けてきたのか友人みたいに接してくれている。


 神官だと言ってたけど、年頃の女の子だからか服とかおしゃれが好きで ボクの巫女服にとても興味津々だった。


 ……ボクの巫女服っておしゃれ…かな………? どちらかというと物珍しさに飛びついてた気もするけど。



「お嬢さん方ァ! 片付け終わったぞ! 発つならさっさと行かねぇと日が暮れちまうぞ」


「わかったよ! こっちも準備できてる! ユズは……特に持ち物は無いんだっけ」


「あ、うん…特に必要なものはないかな」


「……そうか。じゃあ行こうぜ」


「そういえばボク、みなさんと一緒にいてもいいんですか?」



 キングさんが僕が同行することが当然のように会話を進めているからちょっと違和感があった。



「…? いや、お前行くあても無く旅してるんだろ? 昨日お前が寝た後、うちのリーダーさんが『近くの町にまでくらいなら一緒に行った方が安全だし、何より楽しそうでしょ?』とか言ってたんだが……。 もしやお嬢さん方よぉ、さっきから一番大事なこと伝えねぇでおしゃべりしてたってのか?」


「ぎくっ! あはは……ど忘れって…あるよね……?」


「わ、私はリーダーがもう伝えてたとばかり…!」


「はぁ……。まぁいい、行こうぜ。話が進まねぇんだよ!」



 今のキングさんの最後の言葉、なんだか二重の意味で心に響いた気がする………。








 ……という訳でボクはせっかくだから好意に甘えて町まで一緒に行くことにした。


 ボクは武器なんて持っていないので4人の中の後ろの方、魔導士(キャスター)のソルさんと横並びで歩いている。


 ソルさんは無口なようで、あまり積極的に話すことは無いのでちょっとさびしい。 こちらから話題を振ってみようかな。




「……そういえば、ソルさんたちがあの森にいた理由ってなにかギルドからのの依頼だったの?」


「……一応、魔物の討伐依頼だった」


「? でも魔物の死体なんてどこにもないような…」


「……君に出会ったから、予定を変更して1度町に帰還することになった」


「ああ……。なんだかごめんなさい。」


「…いいんだ。うちはお人好しばかりだからね。 あのキングだって、顔と口は悪いと言っても優しい者なんだ、気にしないでくれ」


『なんか言ったか!?』


「…わかりました……。 それで、本当はどんな魔物を倒す予定だったんですか? ドラゴンとか!?」



 目をキラキラさせてソルさんに聞き寄ってみる。ファンタジーな世界ならドラゴンとかが居てもおかしくなさそうな気がする。 ……ドラゴンってかっこいいよね。


 ソルさんは急に近寄ったボクに驚いたのか、少し仰け反り気味になりながら答えてくれる。



「…流石に私たちでもドラゴンには敵わないと思う……」


「そうなんですね…」


「大丈夫、大体あんな森にドラゴンは居ないはず。 きっと………。 少なくとも1度も見つかった例はない」



 なんだか物語だったら壮大なフラグになりそうなこと言ってるけど気にしないでおこう……。



「結局……どんな魔物が討伐依頼だったんですか?」


「……オーク。 森で普通のオークより巨大な個体が森の周りの集落に被害を出しているらしい…。 あぁ、すまない。 オークというのは……」


「毛深く、豚とイノシシの中間のような……」


「………」


「鼻息が荒く、……そしてその鼻息はかなり臭い」


「あの……」


「ユズくん、人に質問するのは最後まで聞いてからするものだよ」


「わ、わかりました…」


 説明をするのが好きなのか、無口なイメージとは程遠い早口でガンガンとオークについて説明してくれる。


 その後も とても見覚えがある様な化け物の具体的な説明をされてようやくソルさんの話が終わった後…



「………という感じだ。 先程質問がありそうな感じだったけれど、なんだい?」


「えっと……これ、見て貰ってもいいですか?」



 ボクはそう言ってインベントリから 矢の刺さったオークさんの死体を取り出す。


 ズゥゥゥン……



「……………は?」


「これって…オーク、ですかね……」



『どうしたー! ……………え?』



 大きな音に気付いたキングさんたちが後ろを振り向いて ぎょっとしている。



「………。リーダー! 1度休息を取ることを提案する!」



 ソルさんはあんまり大声で話さない方だと思ってたけど、流石に今回はボクのせいだ。



 ……アイテムボックスのこと、先に話しておけばよかったかな。

ソル

年齢:16歳

職業:魔導士(キャスター)

性別:男

種族:人間


髪型は茶髪の片三つ編み。メガネっ娘……と思いきや男の娘である。彼愛用の片手杖には翡翠色の魔石が付いており、風の魔法を得意としている。 普段は無口だが、趣味の話や魔法の話になると早口になり解説が終わるまで口が閉じることは無い。



リップ

年齢:15歳

職業:神官(プリースト)

性別:女

種族:人間


髪型は金髪ツインテール。狩りの神ディアナを信仰しているが、あくまで彼女は神官なので柚流のように回復魔法を得意としている。 現時点では柚流よりも回復魔法の効果は高く、パーティの誰かが戦いで傷を負っても彼女の癒しによってすぐに戦線に復帰出来る。




これからも柚流の祈りが読者様に届きますように!



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[一言] チキ、キング、ソル、リップでチキンクソリプか
2022/03/17 13:42 退会済み
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