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TS巫女の祈りが世界に届くまで  作者: ゆの
第零楽章・女神と巫女のデュエット
2/21

女神様、そして異世界転生

1話の閲覧、ありがとうございます!!

そして、この2話を見ている読者様! 待っててくれたのか、後から追ってきたのかはわからないけどこちらの方々にもありがとうございます!!

休日のため、頑張って執筆しました。

今回は、まどろんでいる柚流からスタートです。


それでは!



『……ね……』


『…とね』



 誰かに呼ばれている様な気がする…。


 でも………眠い…………あと5分だけ………。



琴音 柚流(ことね ゆずる)!』


「ひゃ、ひゃいっ!?」


「ふう……。やっと起きたわね 柚流」


「だれ………?」



 だいすきな2度目のまどろみの時間は 知らない女性に邪魔されてしまったみたいだ。


 知らない人に起こされて起きたらどこだか分からない部屋。そもそもこの女性はなんでボクの名前を知っているのかな…?


 よく分からない状況に首を傾げていると、目の前の女性の口が開いた。



「私は女神よ。それより今 貴女が置かれている状況を説明するわ」


「女神様……何を司っているんですか………?」

「それはいいの! さあ説明始めるわ」



 何の神様なのかを知らないとなんて呼べばいいのかわからないよ!


 女神と名乗る女性から強引に話を進められちゃったけど、とりあえずこの状況の説明が始まるみたいだ。



「いい、落ち着いて聞いてね。えー…コホン。──貴女は 『登校中 友人に手を振りながら青信号を渡っている最中に 暴走するトラックに撥ねられ その後頭部がアスファルトに激突し、即死』と、この神界没者記録に先程あなたの名が名を連ねたわ」



 そう言って、女神様は分厚い本の一文に指を指す。



『琴音 柚流 15歳』



 淡白な文章だけど 同時に説明された詳しい死の内容は、ボクの頭が混乱してパニックになる為には十分だった。



「………ボクは、死んだんですか……?」


「そうよ」


「お母さんにはもう……」


「会えないわ」


「お、お母さんのハンバーグは……?」


「……残念ながら 食べられないわ」


「そんな………。う、うわああぁぁぁぁぁぁんっっっ!!!!」


 膝から崩れ落ち、両手で顔をおさえる。涙が止まらない。


 『もうお母さんに会えない』その一言は、特にボクの心の1番奥深くにずっしりと重く覆い被さった。









……



………。




 しばらくの間、ボクは泣き続けていたみたいだ。ボクが死んだということを教えてくれた女神様は その間優しく背中をさすりながら「大丈夫」「いくらでも泣いていいのよ」と声をかけてくれていたのがわかる。



「落ち着いた……?」


「…………うん………………。」


「わかったわ。それなら貴女はこれからどうしたいか 教えてくれるかしら」


「……これからどうしたいか………?」


「そうよ、貴女にはこれからふたつの道があるの。アル、ベイ、あれを持ってきてくれる?」


「「はい、かしこまりました」」


「わあ! …びっくりした!!」



 女神様が手を叩いて誰かを呼ぶと、ふたりの女の子が それぞれ紅色と蒼色の綺麗な玉を抱えてボクの後ろから突然現れた。 びっくりして心臓が止まるかと思った………。心臓止まってるけど。


 驚くボクをよそにして ふたりは女神様の左右にそれぞれ並んだ。


「さあアル、説明してあげて。」


「はい、この 紅い玉は『輪廻の紅珠(りんねのこうじゅ)』。これに触れると 貴方は元の輪廻の輪に乗り 今世の記憶を忘れて再び人間として生を受ける事になるでしょう」



 左の紅色の髪をした少女は1歩前に出て、両手で胸の前に抱えている 輪廻の紅珠 について説明してくれた。わかりやすく言うなら 地球でなにかに生まれ変われる みたいだ。



「ベイ」


「はい、この蒼い玉は『転生の蒼珠(てんせいのそうじゅ)』。これに触れると 貴方は今世とは別の世界で 今世の記憶を持って再び人間として生を受ける事になるでしょう」



 右の蒼色の髪をした少女も同じように説明してくれる。つまりは、 異世界転生 する選択みたいだ。



「更に柚流、貴女はあまりに可哀想な最後になってしまったから 貴女の来世の容姿は私好みの…ゴホゴホいい感じの体にしてあげる。 本当はあんまりこういうことするとえらい神様たちから怒られちゃうのだけど 今回は特別よ。さあ、貴女がすきな方に触れなさい」



 まるで小説の主人公みたいな提案をされているなぁ…。でも、ボクの選択はもう決まりきっている。



「転生でお願いします。」


「……柚流さま、本当にこちらでよろしいですか」


「うん、良いよ。別の世界で頑張ってみるよ。」



 たとえ異世界に行くことになっても、お母さんの事を忘れたくない。その一心でボクは異世界に転生することにした。



「貴女の決意はわかったわ。柚流、こちらに来て。貴女に贈り物をあげる」


「わかりました」



 女神様はボクの心臓の辺りに手を当てて念じ始めた。なんだか少年漫画の師匠キャラみたい。



「……このヴェスタの名において琴音柚流の魂に祈りと護り火の癒しの力を与える………」


「ふああああぁぁぁ……。なに、これ……。暖かい………」



 それは これから再び生を受けることになる異世界への恐怖を溶かしてくれるようで、暖炉の炎のようなとても暖かい橙色の光が ボクの心の中にすうっと入っていった。


「……いまのは………?」


「これで貴女は来世で【祈り】と【癒し】のチカラを手にするでしょう。 世界を歩き、世界中に癒しを与えなさい。初めはちいさなチカラでも、点と点が繋がりやがて線になるように どんなモノでも癒すことができるチカラになっていくことでしょう。……貴女の進む道には 光が満ち溢れる未来が待っているはずです」



 慈愛に溢れた女神様、いや ヴェスタ様の目を見てどんどん希望が満ちていくのを感じる。



「はい!ありがとうございます ヴェスタ様、このご恩は母に誓って絶対に忘れません!!」


「いいのよ、さあ もう時間だわ。この蒼珠に触れて。貴女が向こうに着いた時には、新しい 別の体になっていることでしょう」


「「柚流さま、どんなツライことがあっても、負けないで 頑張ってください」」


「アルちゃんベイちゃん!?どこかで聞いたことあるセリフだけど大丈夫!? それでは、行ってきます!」



 ヴェスタ様と ふたりの少女からの見送りの言葉を聞き、ボクは蒼い光に包まれて 再び意識は溶けて行った………。







 光が消えるとあの娘の姿はもうなかった。新しい人生でも楽しんでいけるといいわね…。



「ふう……たまに女神らしいことをすると疲れるわね…。それにしてもかわいい娘だったわ……」


「……ヴェスタ様。失礼ですが、柚流さまは男性かと………」


「え? アル、どういうこと!?」


「私もヴェスタ様が勘違いをしている事には気付いていましたが、面白そうなので黙っていました」


「ベイ!?」



 そう、この小説を読んでいる読者様は既にきっと気付いていることだろうが このひと柱の女神は重大なミスを犯していたのだ。



「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!! またヴァルカンにバカにされるううぅぅぅぅ!!!!!」





─── 琴音柚流は、男であった………。

琴音 柚流 (ことね ゆずる)

年齢:??

???

性別…………女


女神ヴェスタのとんでもない勘違いから、現在体が女になっている最中だが 眠っている柚流には気付くことは出来ない……。




遅いと言いながら次の日に投稿。思っていたよりPVや評価が良く、勢いで書き上げてしまいました!


これからも柚流の祈りが読者様に届きますように!



評価、感想、ブクマお待ちしています!


いいと思ったなら いいね もよろしくお願い致します!作者のモチベが上がって更新が早くなるかも…?)


作者Twitterをフォローするとたまに没カットなどを投稿するかも…?

https://twitter.com/Yokoyuno1210

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― 新着の感想 ―
[一言] 確かに最初から「あなた」って言ってましたが漢字は「貴女」でしたしね。
2022/03/17 13:26 退会済み
管理
[一言] 紅で転生かと思ってしまった……脳みそが完全にマトリッ……いや、止めておこう
2022/02/09 01:46 退会済み
管理
[一言] 描写丁寧でよきです(*´꒳`*) 続き期待!
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