~三匹の宝石喰い~
第16話 コンビネーション
路地を一本奥へ進むと、明らかに入り口付近とは違う匂いがする。
「なんだ、なんか、変な匂い。」
「きっと香水。宝石喰い達が好むんだ。匂いでランクがあるんじゃないかな。獣形は匂いに敏感だ。」
「そうか。おかんの化粧品より臭い。」
「うちのお母さん、時々こんな匂いする。」
こんなに強い匂いなのに、モンスターは姿をみせない。
と、ビルから一際匂いの強いモンスター3匹が現れた。
「やだ~!ママ、子供じゃない?」
「あら、子供ね。なんでこんなとこに?」
「REIWAだって!!超おもしろいやん!最新~。」
「この子、綺麗な顔してるわね。うちでどうかしらね。」
「いやいやいや~、ママ、未成年は犯罪やわ~。」
先手必勝なのに、先を越された。手数も多い。やるしかない。
「マ、マハリクマハリタ!」
キャサリンをぎこちなく振る。腰が引ける。
「ちょ、やだ!」
「ママ!なんか言ってる!」
「何ソレ?」
お腹を抱えて苦しそうにする雑魚2匹にそれぞれ8のダメージ。
「ばばぁ!化粧ぼろぼろやん!」
ママと呼ばれるモンスターが鬼のような表情に変わる。
ママは怒り狂っている。
ママは気合をためている。
「なにこいつ!ガキのくせに、ママになんてこと言うのよ。」
「いや、お前も顔どろどろやで。」
仙人はたたみかける。モンスターBはまだしびれて動けない。
モンスターAの攻撃。モンスターAは掴みかかってきた。
「危ない、仙人!」
雅之はとっさに仙人の前に立ちはだかり、キャサリンを縦に数回振る。
ぱぁぁぁぁぁぁぁあ
にわかに丸い光が出現し、モンスターAの顔にぶつかる。
「なに!眩しい!」
モンスターAは顔を背けてしゃがみこむ。
「光の魔法だ!すごい、ふじこ!」
自分でも何で出来たのか分からなかった。何きっかけだったんだろう。
モンスターBは動けるようになった。
「もう、疲れたわ~、ママ行きましょうよ。」
ママの怒りが解けた。
「あんた、気ぃキツイし、美人やし、この世界ぜったい向いてる。学校卒業したら、ここに連絡して。支度金ははずむで。」
ママは名刺を差し出した。
「あんたら、行くで。」
「えーママ―、待ってぇ。」
モンスターABは不満そうな声をあげ、遠ざかっていく。
モンスターの群れは逃げ出した。
ティラリティッティッティー
雅之は経験値を獲得、LV4に上がった。守るを覚えた。アイテム・名刺を手に入れた。
額に赤くLV4と浮かび、すぐに消えた。
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駆け出しですが、長くやっていきたいと思っています。よろしくお願い致します。