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お嬢様と先生の楽しく学ぼうシリーズ

バレンタインデーとお嬢さまと先生の単元

作者:halsan
「ねえ先生」
「なんですかお嬢さま?」
「今日は何の日なのか知ってる?」
「知っていますよ」

 うふふ。
 釣れたわ。

「先生も今日は気になる?」
「ある意味気になりますね」

 そうよね。
 気になるわよね。
 先生だって健全な男性だものね。
 私のお父様と殴り合いの喧嘩をするくらいには。

「ところで先生は、もう誰かからもらった?」
「いえ」

 よし。
 少なくとも先生に本命は届いていないわ。
 こないだネットにも広告が載っていたものね。
「そろそろ義理はやめよう」ってさ。
 そうよ、先生に義理なんかで渡さないでほしいわ。
 本命を渡されるのはもっと嫌だけれど。

「他人から贈られても困りますが」

 え?

「もしかして先生って自分で買うの?」
「買いますし作りもしますよ」

 そういえばそうだった。
 先生はこう見えてもキッチン大好き男子だった。
 確かに小学生の頃、先生は私にハロウィンパーティ用に手作りのお菓子とかをバスケットにいれて私に持たせてくれたもの。

「で、どうしたのですか?」
「うーんとね、先生は手作り派? それとも高級派?」

 すると先生はちょっと考え込んでからお嬢さまに笑顔を向けた。

「職人がその技術を惜しみなく発揮させたのも素晴らしいと思いますし、手作りのものも温かみがあってどちらが好きとは一概には言えませんよ」

 そうよね!
 家ではいつも先生と一緒だから、私には手作りをする時間も場所もなかったの。
 だから買ってきたのでもいいよね!

「ねえ先生、『ゴデ〇バ』って知ってる?」
「知っていますよ」

 やった!

「先生はゴ〇ィバは好き?」
「嫌いです」

 がーん。
 断言しちゃうの?

「え、なんで、なんで嫌いなの?」
「変態領主と露出狂妻が街中を巻き込んだ羞恥プレイなんかに付き合っていられませんからね」

 そっちなのね……。
 もう、ゴディ〇夫人も覗き屋トム(ピーピングトム)もみんな死んで!
 って、みんなもうこの世の方々ではないのね。
 どうしよう、いきなり渡しづらくなってしまったわ……。

「どうしたのですか、お嬢さま?」
「うーんと、あのね……」

 まずい。
 自分で自分の首を絞めてしまったわ。
 なぜなら私が背に隠しているのは、まさしくゴディ〇のチョコレートなんだもの。
 先生の性格なら、きっとこんなことも言うのだろうな。

 どうせ今回の広告も自分のところの商品に金を突っ込ませるための策略でしょう。
 高級感を売りにしていますが上には上がありますからね。それこそ本場ベルギーとか。
 発祥はベルギー云々言っているらしいですけれど、今の本社は米国ですから。ビバ資本主義。ビバグローバリズム。ビバトランプ。
 冷凍で空輸されてくる分、バカ高い物流費が価格に乗っているだけですよ馬鹿馬鹿しい。日本人なら神戸モロ〇フ喰っとけ。

 最悪だわ……。

「どうしたのですかお嬢さま、ご機嫌がよろしくないようですが」
「ううん、先生のせいじゃないの」
「そうですか。何かご心配事でも?」

 どうしよう……。
……。
 ちーん。

 そうよ、話を最初に戻せばいいのよ!
 行き詰ったらリセットだわ!

「ねえ先生!」
「何ですかお嬢さま」
「今日は何の日なのか知っている?」
「知っていますよ」

 よし、いい流れだわ。
 このまま流れに乗って渡してしまおう。
 ブランド名は隠して。

「何の日?」
「ふんどしの日ですよ」

……。

「ふんどし?」
「ふんどしです。『(ふん)()日』です」

「じゃあ、職人さんとか手作りとか……」
「締め込み具合は職人さんにはかなわないですが、手作りは自分自身の好みを反映できますからね」

 まさかの展開にお嬢さまの思考は停止してしまう。
 ふんどし? バレンタインじゃなくてふんどし?
 じゃあこれはどうしたらいいの?
 お嬢さまの目頭にうっすらと涙がたまってくる。

「そろそろですね……」
 これは先生の心の声。
 百戦錬磨の先生は、ここまでの展開を見切っていたのだ。

「ところでお嬢さま、先ほどから後ろ手によい香りを漂わせていらっしゃいますね」
「え、あ……」
「よろしければ私にも分けていただけますか?」
「あ、うん、先生にも分けてあげる」
「それではすぐに紅茶を入れましょう。お嬢さまはお手元のおいしそうな香りをテーブルにご用意いただけますか?」

「うん!」
 ということで、今年も先生はお嬢さまからのバレンタインデー告白を乗り切ったのである。

「このチョコレート、美味しいでしょ?」
「ええ、美味しいです。ありがとうございます」
「うふふ」

 今年の2月14日も無事終了。

「さて、来年は何の日でごまかそうか」
 先生も大変である。

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