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新兵器

 それから再び屋上で食事をした僕達。

 再び出汁焼き卵以外にもタコさんウィンナーで、着々と勇者である怜を懐柔しつつ、折角なので新しい味を試した煮物のの味みをしてもらうなどをしていた僕。

 一通りご飯を食べて気持ち良くなったところで、怜が僕にそわそわしたように話しかけてきた。


「黒兎、今日は暇?」

「……暇といえば暇だな」

「それなら……行ってみたい所があるんだ」


 そこで案の定、いつもの“遊び”のお誘いを怜が始めた。

 あの人物が来たからこう来るだろうと想定はしていたが、予想通りではあったようだ。

 そう僕が表情には出さないように努めて話を聞いていると怜が、


「実は、近くの廃病院があるだろう? あそこに悪霊が出るらしい。なんでも幽霊が何体も集まっていて、肝試しに行ったら怪我をしそうだったらしい」

「危険な場所にわざわざ行こうとする人間の気がしれないな」


 僕がため息をつくように言うと怜が、


「それはそうだけれど、は、早めに討伐はしておいたほうがいいんじゃないかな」

「……それで“討伐クエスト”には登録されていないのだな?」

「う、うん、でないと俺達は授業でないと受けれないし」


 怜がそう答えるのを聞きながら、とりあえずスマホで慌てて確認するのを僕は見る。

 焦っている怜も可愛い。

 ……ではなく、“討伐クエスト”とは、この世界に外をもたらす架空と思われていた生物の討伐の仕事だ。


 仕事であるため報奨金もでるが、登録制でもある。

 だが学生である僕達はまだ受けることができず、授業の一環として実技がある程度だ。

 だがそういった登録でなければ“たまたま遭遇した”りする時もあり自己防衛が出きる。


 しかも怜は異世界では強力な勇者だけあってそういった危険なものに遭遇しやすい。

 むしろ無意識のうちに巻き込まれる。

 おかげで異世界で僕が魔王をしていた時はさんざん手助けをする羽目になった。


 まったく、怜は僕がいないと駄目だ、と僕が思っているとそこで、


「う、うん、まだ登録されていないみたいだ。そ、それで今日の放課後見に行かないか?」

「それはいいが、一度家に戻っても構わないか? 最新兵器を試してみたい」


 予想通りのお誘いを聞きながら僕は、最近開発した新兵器を試したい衝動にかられた。

 なかなか魅力的な能力を僕はつけたつもりだったのだが……長い付き合いである怜は、そこで顔を青くした。


「今度は何をする気なんだ?」


 怯えたように怜は言うが、別に大したものではない。

 だから怜が怯える必要は何もない。

 ただ、以前ちょっとやらかした事が彼の記憶を刺激しているのかもしれない。


 あれを使った時、それで怜が少し大変なことになったのだよなと思いながらも、今回はそういった類ではないので何も問題がない。

 だから大丈夫だと念を押すように何度も怜に告げる。

 怜は不安そうだったが。


 とりあえずは説明はしたので、それ以上は話さず、僕はその後いつものように授業を受けて、校門の前で怜と待ち合わせをする約束をして一度家に戻ることにしたのだった。

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