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リガティア物語  作者: 見た目は東南アジア
雪原から奴隷時代
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雪と棍棒6

コメント頂いた事を参考に 、 を使ってみました、読みやすくなってたら嬉しいです


少しずつ読みやすく修正するつもりですが、更新も続けたい、そんなジレンマにヤキモキしております


新キャラがどんどん出て来ますがヒロインなんてまだ出て来ません


それでもヒロシをよろしくお願いします

 今日は昼から楽だった、昼飯後から言われた仕事は、「控えていなさい。」 そりゃ楽だ


 普段と言えば、非番の騎士様や衛兵殿達の、槍や剣を磨き上げて油を塗り、糞ほど重たい全身鎧を拭き上げて、それぞれの棚にしまっていくんだが

昼を過ぎて言われたのは、「私に着いて来るように。」 「呼ばれるまで控えていなさい。」

こんな楽な日は珍しいもんだ


 荷物持ちにと連れ出されたが、持ったのは、上等な布で包まれた衣服を三組だけで、たいして重くもありゃしねえ しかも歩いた距離っちゃ、荷駄に備品を満載して城門外まで歩くのと比べりゃ、なんて事は無かったさ


 その他に、やった事なんて、片脚の奴隷に肩を貸したくらいだ、ガリッガリの貧相な小男の歩くのを手伝うなんて簡単なもんだった、控える場所に椅子も用意されて、更にメイドが飲み物まで用意してくれた


 そこに、貴族様の好むような洒落た曲じゃなく、酒場で聞くような、しゃがれた低い声と変わった音色の物語、そこに歌詞の説明なんかが聞こえてくりゃ暇になる事もねえ、これが仕事と言うなら天国だなってくらいに、楽なもんだった



 「ほへー、そりゃ厄介なもんだなあ。てっきり今日だけかと思ったら、歌が終わるまで毎日かい? そりゃ難儀なこった。」


 言えば、ヒロシと名乗った小男は


「今日は所々で不敬罪になりそうで、焦った焦った。」


 なんて笑いながら答えて来る、不敬罪なんてシャレにもならねぇよ


 ヒロシが着せられた物なんか、俺と比べりゃ上等で、使用人達が出入りする裏木戸じゃあ無く、正門からも出入り出来そうな、上等な服のくせに、食ってる物は俺らと同じなんだが、美味そうに食いやがる、聞けば、若い旦那様の直接の従者になるってんだ


 「吟遊詩人なんて流れるもんだろ? 流れなくて飯が食えんのかい?」


 なんて聞いてみると


「流れてなかったから、飯が食えて無かった、まぁこれだから。」


 答えた後に


「この街は、歌唄いに優しいからな。」


 なんて続けながら、残った左脚を軽く叩きつつ、笑いながら答えやがる……


「明日も俺が担当になったら、楽しい歌を聞かせてくれよ。」


 部屋まで肩を貸し、ドアの前で言うと


「明日歌う部分は、不愉快な気分にさせるかもだな……」


 なんて、少しだけ暗い顔になっちまった、辛い事なんていっぺーあるさ、なんて言葉に出さず、じゃあなと声を掛け、俺の半分も生きてないだろう、人族の部屋を後にした



______________________



 明日の朝には、職人がやって来るであろう事を考えて、報告書を書き上げた

言われなくても用意する、出来る執事でありたいと手配したものだ

 光の魔石を使った魔灯の灯りを消して、寝台へ潜り込む、冷たい布団に身震いするが、突然舞い込んで来たチャンスを考えるとニヤけてしまう


[執事は顔に出しては、いけない] ニヤけた顔を戻しつつ、舞い込んだ物について考えた


 先日まで私は、エレーヌ様付きの執事であった、だが婚姻を期に入り婿である、マリオ様のお付きとなり、時期当主となられるエレーヌ様の元には、大旦那様付きの私の上司が付けられてしまった


 男の話を聞くにつれて、この男はチャンスに繋がると、確信めいた予感がしてくる

なんとしても、この家の家令まで上り詰める、しかし汚い手段に頼る気もない

いずれは上司を追い抜いて等と考えつつ、暗い部屋で意識を手放す



______________________



「飯美味かったなぁ……」 用意された部屋で独りごちる、久しぶりに人間の食い物ってもんを食った気がした

 カビが生えかけ焼いて数日経った、乾いたガチガチの堅い黒パンじゃなく、焼き上げたばかりの黒パンに塩を付けて、用意されたスープも根菜だけじゃ無くて、肉の欠片も入っていた、普段食うようなクズ野菜の切れっ端を煮込んだだけの、腹に入るだけマシな粗末なスープと比べれば、粗食になれた腹が、少しだけ痛くなったが心地いい


 久しぶりに大勢の人間と喋ったが、今日一日で最も嬉しかった出会いは、魔族のビフと言う使用人の男だった


 不敬罪になりそうだったと言えば、青ざめていたが、コロコロ変わる表情と、長年顔を合わせている、浮浪者仲間と話してるような感じの喋り方が印象的だった



 説明は出来るだけ丁寧に話したさ、タメ口なんて冗談にもならない、質問された事の答えも出来るだけ丁寧に慎重に、今日話した部分、歌った部分は自分の事だ、だからいいんだが、続きが問題なんだよなぁ


 使用人の部屋が8畳くらいあって、フカフカのベッドに魔灯まで据え付けてある、貴族は贅沢だなぁと思い目を閉じる


 しかし、明日の事を考えると気が重い……




 次回胸くそ悪くなる話の予定です、文字をオブラートに包み方なんかわからないので、考えたとおりに書こうと思ってます


読んで頂いてありがとうございます

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