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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

地下5メートルに咲く花

 最寄駅から徒歩二十分ほど。ほどほどに栄えた商店街を抜け、新築が目立つ住宅地を分け入った先に、私立翠稜高校はあった。それなりな進学校として名が知られたその高校も四月を迎え、登校した生徒たちを迎えていた。

 校門を入ると、アスファルトの道がすぐ左に折れている。その両脇には、立派な桜の木が立ち並んでいる。

「あ、新入生だね」

「もうそんな時期か、時間がたつのは早いねぇ」

張り出した枝が形作る桃色のアーチの下を、生徒たちは足早に進んでいく。

 桜並木を抜けた先で、道は右手に伸びている。道沿いには畳一枚ほどの花壇が五、六個並んでいる。縁石の装飾も立派な花壇だが、土の上には雑草が生い茂っている。そんな有様に目を向ける者はなく、生徒たちは人だかりの方へ続々と集まっていく。

 その中心には、背丈ほどの掲示板があった。横一列に並んだ掲示板群の一枚には、クラス分けが掲示されている。六クラス分の名簿を眺めて、自分の学籍番号を見つけた者から順に、すぐ脇の昇降口へと消えていく。

 彼女もまた、そうして今やっと校舎に入ったところだった。他の者と同じように下駄箱を探して周囲を少し見渡し、土足で上がって良いことを思い出した彼女は、人の流れに乗ってゆっくりと階段を上る。一年の教室は、四階にあった。

 教室の扉には、座席表が貼ってある。すこし上がった息を整えながら、彼女はその中に自分の番号を探す。彼女の脇には男女が一組いて、席が離れていることを嘆いていた。

「お、ラッキー」

 独り言ちた彼女は、窓際の一番後ろの席に腰かけた。深い紺色の通学カバンを机にかけて、改めて教室を見渡した。

 時刻は午前八時半。始業まであと二十分に迫った教室は、もうほとんど埋まっていた。多くが所在無げに座っている中、一人の男子生徒が誰かに話しかけている。彼女がそれを眺めているうちに、その生徒はクラス中に声をかけて、最後に残った彼女のところに気さくな笑みを浮かべて近づいてきた。

「や、はじめまして。俺、浅見竜太。よろしく」

 そう名乗って、浅見は右手を差し出した。

「う、うん。私、白沢絵梨佳」

 答えた彼女――白沢絵梨佳は、差し出された手を見て苦笑いを浮かべた。


…………


「あの、白沢さん」

 前の席に座っていた明石香苗が声をかけてきた。

「ん、何?明石さん」

「いえ、えっと、もうお帰りですか?」

「うん、そうね」

「なら、良かったら、一緒に帰りませんか?私もお稽古があるので、もう帰らないといけないんです」

絵梨佳は柔らかな笑みを浮かべる明石と向き合った。

正面から見た明石は、声の印象通りおっとりとした感じの女の子だった。ふっくらとした頬に太い眉、一重瞼にたれ目気味の目はおどおどしながらもこちらを見つめている。よく言えば人当たりが良く優しそう、悪く言えば気弱で意志の薄そうな顔だった。

絵梨佳は少し思案して、

「うん。じゃあ帰ろっか」

 二人は各々のカバンを取り上げて、何やらサッカー談議で盛り上がっている集団を横目に教室から出た。

 通り過ぎる教室からは、拍手の音や、教員らしき野太い声が漏れ聞こえてくる。彼女らの一組は特別早く終わったようで、廊下にはちょうど誰もいなかった。先行する帰宅組の足音が、かすかに聞こえてくる。

「白沢さんは、読書がお好きなんですよね」

左を歩く明石は、絵梨佳をやや見上げながら話しかける。

「んー、そうだね」

「私も、好きなんです。読書。どんな本を読んでますか?」

「えーっと、特に決めてないけど、恋愛系の話が多いかな」

 それを聞いて、明石は目を輝かせた。

「わあ、私も大好きです。恋愛物」

「へー、そうなの。偶然。なんかおすすめの本ある?」

「好きな本はたくさんあります。良かったらお貸ししましょうか?もう読んだことあるかもしれませんが」

「助かるわ。いろいろ読みたいとは思ってるんだけど、お金無くってね。ありがとう」

「じゃあ明日、持ってきますね」

「明日?まぁいいけど」


…………


「君、もしかして部室棟の場所が分からないの?」

 聞き覚えのある澄んだ声が背後から聞こえた。

 絵梨佳が振り向くと、胸くらいの高さに遠藤かすみの顔があった。

 こうして間近で見ても、遠藤の印象は西洋のお人形のようだった。化粧をしているわけでもないのに抜けるような白い肌、なぜかきらきらと輝く瞳、吹き込む春風を受けてさらさらと揺れる髪はよほど念入りに手入れをしているのか、四月の陽光を浴びてつやつやと光っていた。

「ええ、そうです。えっと、遠藤先輩でしたっけ」

 絵梨佳がそう言うと、遠藤はにっと笑った。白い歯を見せて口元で笑うその動作には、人形のようだと思った無機質な印象を打ち消す優しさがあった。

「真面目に話を聞いてくれてたようで何より。私も行くところだから、一緒に行こう」

「ありがとうございます」

 前を行く遠藤の後頭部を、絵梨佳は見つめていた。歩く姿はきびきびというほど固くない。どちらかといえば緩慢な、優雅さを感じさせる動きだった。

「といっても、本当にすぐそこなんだけどね。何委員会?」

「学生委員会です。先輩と同じですね」

 それを聞いて、遠藤はまた、にっと笑った。鮮やかな紅色の唇が、すっと伸びる。

「そう、それは良かった。名前は?」

「白沢絵梨佳です。一組です」

「しらさわえりか、だね。覚えた。一年間よろしくね」

「はい、よろしくお願いします」


…………


「あ、白沢さーん、ちょっと待ってー」

 廊下に出た絵梨佳に、後ろから声がかけられた。

「……何?書記の日向あおいさん……だっけ」

「うん、よろしくねー」

 にっこり笑って会釈する日向に、絵梨佳も軽く頭を下げる。

「で、何?」

「ちょっと、怖いよー。うん、連絡先教えてほしいなって」

「え?」

 絵梨佳が聞き返すと、日向は不思議そうに首を傾げた。緩くパーマのかかった髪が、ふわりと揺れる。

 こうして正面から見ると、日向は控えめに言って美少女だった。長くすらっと伸びたまつ毛と二重瞼、くっきりした目鼻立ちのおかげで、まるで光を放っているかのように輝いている栗色の瞳が特に印象的だった。遠藤とは異質な生き生きとした美貌は、さりげなく、目立たないように施されたメイクによってより際立っていることに、絵梨佳はようやく気が付いた。

「嫌?」

「……ううん、いいよ」

「ホント?やった、QRコード読める?赤外線できないのー」

「あー、待って……おっけー」

 日向が差し出した画面を、絵梨佳の使い込まれた携帯電話がのぞきこむ。やや読み込みの間があって、プロフィールが保存された。

「ん、送っとくね」

「お願いねー。じゃあ、わたし部活の見学に行かなきゃだから、またね!白沢さん!」

 そう言って、日向は階段を駆け下りていった。


…………



「先輩は、趣味とかないんですか?自己紹介の時も、何にも言いませんでしたし」

 遠藤はバンズの切れ端を口に運んで、少し考えるそぶりを見せた。

「うん。無いね」

「……そうですか」

「今やってることは、全部必要に駆られてやってるからねぇ。でも、その根っこにある動機を趣味と呼ぶなら、そうね」

 遠藤は三つめのハンバーガーを持ちながら、はにかんだ。

「人助け、とか。趣味かもしれない」

 趣味の範疇からかけ離れた答えに、絵梨佳はとっさに反応できなかった。

「……人助け、ですか?」

「うん。私ちっちゃいころから人に助けられながら生きてきたからさ。今もお母さんの頑張りに生かされてる。そのお返しっていうか、ね。自己満だけど」

 もぐもぐと事もなげにハンバーガーをほおばる遠藤。絵梨佳は空になったコーラに手を伸ばして気の利いた返答を考えたが、どうにも思いつかなかった。

 食べ物を飲み込んだ遠藤は、絵梨佳の顔を一瞥して表情を崩した。

「要するに私は無趣味なんだよ。誰だって思うでしょ?人の役に立ちたいなんて。ごめんね、変なこと言って」

「え、いえ。何ていうか、立派だと思います」

 遠藤はくすりと笑って、四つ目のハンバーガーを手に取った。

「……いっぱい食べるんですね」

「良く言われるよ。白沢さんこそ、一個で足りるの?」

 嬉々として頬張る遠藤を見て、絵梨佳は何となくお腹がすいてきた気がした。


…………


「……白沢さん、どう思う」

 部室棟の入り口で、遠藤は唐突に切り出した。

「……多分、前にも似たようなことがあったんじゃないですか」

 絵梨佳は思っていたことを口にした。

「それは私も思ったけど、そのことじゃない。犯人についてだよ」

 遠藤の声は冷たかった。氷柱を連想させるような、ともすれば殺意さえ感じられそうな、厳然たる声。

「……朝練のある部活でしょうね」

 遠藤は鍵を突っ込んで、部室のドアを開けた。

「ああ、そうだ。だが実に全校生徒の三十八パーセントが該当する特徴だ。とても絞り切れない」

 水をケトルに注いで、遠藤はペットボトルを握りつぶした。

「なら、どうする?」

「……現場を、押さえましょう」

「まだ続きがあると?」

「あると思います。多分」

 電気ケトルがかちりと音を立てる。遠藤は食器棚に歩み寄った。

「……どのみちほかに方法はないか。飲むかい?」

「頂きます」

 そうして二人は、明日の行動を話し合っている。

 華やかな紅茶の香りが、今日は重苦しく感じられた。


…………


「……仲良いね、あの二人」

「……ええ」

 沈黙が二人を包み込んだ。

 絵梨佳は気まずさのあまり、声が出せないでいた。

 明石に借りた本のおかげで、絵梨佳にはあの二人がどういう関係なのか予想がついてしまった。それを口に出すのは憚られたが。

 創作の話だと思っていた世界が、急速に隣にやってきた非現実感。そして、二人の世界になぜか食い込んでいる自分の、強烈な異物感。

 そしてもう一つ感じていたのが、安心感だった。

(あの二人は、その……交際中、だから……)

 絵梨佳は横目で遠藤の方を見た。遠藤は腕組みして何かを真剣に考えている様子だった。

(……?何が安心なんだ……?)

 絵梨佳は自分の考えを遡る。

 何故安心しているのか。それは……今まで不安だったから。

 何故不安だったのか。それは……遠藤と日向が話していたから。

(……?)

 理屈が通らなかった。先輩と後輩の、ちょっとした色恋沙汰の話に不安になる道理がない。

 その不条理な不安を何と呼ぶのか、絵梨佳には分からなかった。

 いつの間にか遠藤は腕組みをほどいて、今度は頭を抱えている。

「……先輩、大丈夫ですか?」

 思わず声をかけた絵梨佳に、遠藤は居眠りから覚めたように体を震わせて答える。

「ん?ああ……大丈夫だよ。ちょっと考え事をね」

「そうですか」

 「何ですか?」と聞きたい欲求に、絵梨佳は驚いていた。


…………


「もう大分葉桜ですね……」

「うん、そうだね」

 そうして上下桜色の道を、遠藤たちはゆっくりと歩いている。

絵梨佳はきょろきょろと周りを見渡して、時折ぼんやりとした表情を見せるなど忙しない。ジーパンにパーカーという若々しい服装と相まって、妙に子どもじみて見えるその振る舞いが、遠藤には可愛らしく見えた。

「そう言えば、私服で会うのは初めてだね」

「ああ、そうですね」

「もっと女の子っぽい服だと思ってたから、ちょっと意外」

「そう言う先輩も意外ですよ。似合ってますけど」

 そう言われて、遠藤は改めて自分の服装を見直した。

 白のブラウスに、臙脂色のロングスカート。母親にはよく、「子どもが無理してるみたい」と笑われたものだったが、遠藤はその服装が、精神的に背伸びが出来るような気がして気に入っていた。

「なんか、教会にいそうなイメージです。可愛いですよ」

「そうか、そう言ってもらえると嬉しいな」

 遠藤はそう言いながら、自分の言葉を反芻していた。

(嬉しい、ものなんだ)

 小学校、中学校と、女の子と遊ぶ機会はそれなりにあったが、遠藤には服を褒められて嬉しかった記憶がなかった。褒められたことがなかったのか、喜びを感じなかっただけなのかは思い出せなかった。

 それを絵梨佳に伝えると、なぜか絵梨佳は頬を赤らめて、

「そ、そうですか」

 と、そっぽを向くのだった。

 やがて桜並木は横に大きく広がり、遠藤たちの眼前に広がる植木の道を囲む格好になった。

「ああ、いいですね。ツツジが咲いています」

「ふーん、ツツジっていうの。良く見かける花のような気がするけど」

「そうですね。ああ、こんな花も栽培してみたいなぁ」

 ため息をつく絵梨佳を、遠藤はほほえましい思いで見つめていた。

「やればいいじゃない。せっかく花壇あるし」

「……なるほど。学校の花壇だと浅すぎるみたいですね。根が張れないとか」

「へぇ、そうなんだ。いろいろあるんだね」

 ツツジの通路も終わり、遠藤たちは広場に出た。真ん中に噴水が配された円形の土地を囲むように、花壇が敷かれている。

 その上に幾何学模様に配された色とりどりの花を見て、絵梨佳はまたため息をついていた。

「はぁ、いいなぁ。学校の花壇は勢いでやっちゃったのでそれぞれ単色ですけど、こういう混成編成もいいですよねぇ」

「そうね。センス良く配置するのは難しそうだけどね」

「そうですね。相性が悪い花は喧嘩しちゃいますし……って、何ですかそれ。私にだってその位のセンスは……」

「うん、失言だった。ごめんよ」

 花壇を抜けながら、絵梨佳はところどころで立ち止まっては、何かに納得したように頷いている。植物に精通した者にしかわからない世界があるのだろうと、遠藤はその不思議な行動を解釈した。

「白沢さん、良かったら教えてほしいんだけど」

「なんですか?」

「さっきから何に頷いているの?」

 絵梨佳ははっとして、俯いた。

「えっと……こういう植え方もあるんだなって……勉強になるなって思ってました」

「……なるほどね。確かに面白い」

 遠藤はその返答にどこか違和感を覚えたが、それ以上追及するのは止めておいた。

 そうしてしばらく花壇の道が続き、最後にバラの生け垣の迷路があって、遠藤たちは園を一周回り切った。

「うん、なるほど。思ったより楽しかったね」

 春の花の陽気に当てられてすっかりいい気分になった遠藤は、絵梨佳に笑いかけた。

 一方の絵梨佳は、遠藤の予想に反して浮かれた様子はなかった。何かを悩んでいる様子で、遠藤の方を見ている。

「どうしたの、白沢さん」

 絵梨佳はしばらく、その場で黙りこくっていた。それを遠藤は黙って待った。

「……もう一周しませんか」

 やがて絞り出すように、絵梨佳は言った。

「……いいよ。何周でも付き合うよ」

 そう言って、二人は再び桜並木の下へと入って行った。


…………


「お邪魔しまーす」

 夜も十時過ぎ、絵梨佳は遠藤の自宅に来ていた。

「ああ、誰もいないから気にしなくていいよ。あがってあがって」

 絵梨佳は言われるままに靴を脱いだ。

「誰もいないんですか?お母さんは……」

「何だか出張続きでね。いろんなところに飛ばされててほとんど家にいないの」

 遠藤は笑って、絵梨佳をリビングに促した。

「そう言う白沢さんは、急に止まって言って平気なの?」

「ああ、実は私も一人暮らしなんです」

「……へぇ、実家から出てきたの?」

「ええ、気味悪がられて、放り出されました。アパートの契約に付き合ってもらって、高校生の間は家賃と学費だけ出してもらう形にして、殆ど切れてますね」

「そう……大変だったね」

「まぁ、おかげで自由ですけどね。こうして人の家に上がり込むのも」

 絵梨佳は遠藤の方を向いて、悪戯っぽく笑った。

「で、なんですか?見せたいものって」

「ああ、ちょっとこっち来て」

 遠藤は絵梨佳の手を引いて、寝室の奥のガラス戸を開けた。

「これなんだけどね」

「……すごい」

 絵梨佳の目の前には、十メートル四方ほどの庭があった。ところどころ掘り返されていて、雑草を取った跡が見受けられる。

「この庭を、あげようと思ってね」

「え?」

「私じゃ雑草取るのが精いっぱいだし、白沢さんの作ったものなら満足できると思う。どうだろう、受け取ってもらえるかな」

 遠藤は少し照れくさそうにはにかんだ。

「まぁ、記念の品ってことで……」

 遠藤の手を握り締めて、絵梨佳は微笑んだ。

「ありがとうございます。さっそく、明日から」

 遠藤もそれを聞いて、嬉しそうに微笑んだ。

「さて……」

 やや間が開いて、遠藤は所在無げに目線を宙に漂わせた。何か気恥しそうな、そんな雰囲気。

「なんですか?」

「一体、何をすればいいんだろうね?」

 不安げな声を出す遠藤を、絵梨佳はやおら抱きしめた。

「わ、何だ突然」

 いったん遠藤を離した絵梨佳は、真面目な顔になって言った。

「……可愛かったので」

「ん?ぎゃっ」

 再び抱きすくめられる遠藤。

絵梨佳はしばらく、そのままでいた。そしてすこしだけ屈んで、遠藤の耳元でささやく。

「やりたいようにやればいいんですよ。多分」

 遠藤も恐る恐る絵梨佳の胴に手を回す。

「そしたら、取りあえず、着替えを出そう」

「はい、そうしましょう」

 しかし二人とも、そのまましばらく動こうとはしなかった。

 そうして夜はゆっくりと更けていった。


…………


「絵梨佳」

「……考えてくれた?」

「うん、いろいろ考えた。お母さんの事とか、委員会の事とか、いろいろ。君の相棒の話も聞いた」

「それで?」

「……分かった」

「……嬉しい」

「しかし、あれだね。出会って三か月でこんな決心をすることになるとはね」

「時間は関係ないよ」

「まぁ、確かにね。そしたら、段取りを決めようか」

「うん。かすみ?」

「なに?」

「なんでもない」

「……知ってる。私も」

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