3.突然の戦闘
すると後方から鋭い槍が突然飛んできた。とおるは余裕の表情で手で掴み取った。槍の先をみると魔族の紋章が刻まれている。どうやら新しい魔王が元勇者という事が気に入らない反対派の魔物のようだ。
「はっ!?な、なんだ!」とおるは大量の視線に気づいた。それと同時に囲まれている事にも気づいた。そう、反対派のゴブリン達だ。そこにひときわ大きなゴブリンが現れた。魔王はよく知っている。反対派の魔物の中でもリーダー枠のキングゴブリンだ。魔王にとっては雑魚に過ぎないが、そのゴブリン達の数はとんでもないものである。ゴブリンたちはキングゴブリンの元へ集まり何かの儀式をしているようだ。とおるはしばらく様子を見る事にした。
ジーレアオーレシャルゴブリン
ジーレアオーレシャルゴブリン……
随分と長く不思議な儀式は続いたが、ようやく終わったようだ。
「ククク…、これが我が真の力、ドスゴブリンだぁぁぁぁ!」よくみるとたくさんいたゴブリンたちはいなくなっている。しかも明らかにゴブリンのステータスは中ボスレベル。合体したのか?そうとおるは考えたが魔界にそんな素晴らしい神業があるわけがない。
「どうやら新入り魔王は新儀式の【魔合体】を知らないようだなぁ」とおるは無論知るはずもなく驚きを隠せなかった。とおるは元人間である。いくら強くても中ボスレベルの敵では一人では大変だ。だが魔王の名を恥じぬよう戦うしかない。
「エモーションブレード。新武器だ。これで相手をしてやる。かかってこい!」エモーションとは感情を表す。感情によって性質が変わる武器だ。怒れば燃える。悲しめば水になる。楽しければ草が茂る。最近の勇者学校でマスターランクの武器とされている。
「エモーションブレードかぁ。人間の武器だな。なかなかいい物持ってんなぁ…。俺も武器を召喚するかな。」そう呟くと手の紋章が光り槌のような物が召喚された。これも魔界の儀式【召喚器】である。
「ショックハンマーだ。まあ武器自体はあまり強くねえが、使い方によっては最強だぜ?」とおるはくくっ と笑い、口を開いた。
「戦闘開始だ。」
まだばとるが始まらないです…。すいません。