第一章
これは僕とあの双子の話である。
ここで僕の自己紹介をしよう。
僕の名前は仲原夕貴、市内の大学に通う男子学生である。
ありふれた名前に普通の容姿だ。日本人特様の黒の髪に黒い目、背丈も平均と同じぐらいだろう。
さて、本題の双子の紹介をしたいのだが、先にいっておきたいことがある。
双子は一卵性双生児が二卵性双生児かだ。この双子は一卵性双生児だ。一卵性の場合、二人とも区別がつかないほどのそっくりだと想像するが、違うのだ。どこが普通の双子と違うのか。
きっぱり言わせておただこう。
見た目から中身まで反対なのだ。そう、それは数学的に言うと、「対称の図形」、もっとはっきり言うとまるで鏡に写した存在なのだ。
双子の名前は、西岡紗夜と西岡朝。彼女たちも僕と同じ大学に通う女子学生だ。紗夜は髪が長く、これが女の子かという感じだが、朝は髪が短くボーイッシュである。容姿も中身も全く違うのに唯一、髪の色が一緒だ。彼女ら曰く生まれつき一緒だと、染めたこともないのだ、という。
きっかけはどこでいつだっただろうか。
あれはたしか・・・
僕、仲原夕貴と双子の紗夜と朝との出会いは三年前のオープンキャンパスだった。