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Love a Race  作者: 銀乃矢
9/12

第8話「シーズン開幕」

静岡県富士スピードウェイ。

ここで今年のElite Formula Seriesが開幕する。


Wisteria GPは今週末、新パーツを大量に投入し、改善を目指していた。


「新設計のサイドポッド、リアウイング、フロントウイング、サスペンションアーム、リアディフューザー。手を付けられるところはすべて手を付けた感じだね」

「私たちの本気のマシンよ。愛、期待してる。」

「もちろん。この新設計のエンジンも楽しみだし。」

「アストンマーティンヴァルキリーに搭載されているV12エンジンをこのレースの規定に適合させたエンジンね。私たちの総力を詰め込んだエンジン。楽しみにしててよ、きっと驚くよ。」

「そんなに高評価なら楽しみ」



練習走行が終わった後、愛の顔には眩しすぎるほどの笑顔が浮かんでいた。

「すっごいよ!去年のマシンと全然違う!」

「よかった。愛がそう評価してくれるならよかった」

「これなら、今年表彰台に上がれるかも!」

「だね。今年こそ、ポイント獲得、表彰台だ!」

「「おー!」」


愛と真結が約束した。



スタート前。


02号車はゼッケンを登録し直し、愛がスーパーフォーミュラでつけていた38番に変更した。

愛いわく

「こっちのほうが、あの頃思い出せて速く走れそう」とのこと。


1台甲高いエンジン音を響かせながらスタートを待っているマシンがいた。


『愛。今日はとにかく走りきって。クルマを壊さなければ次につながる。』

「わかってる。」

愛は一度開けていたヘルメットのバイザーを再び下げる。


周りから見れば一気に表情が見えなくなる。

彼らにとってはスイッチが入った瞬間。


今シーズン、リーグ制度導入前最後の年ということで去年から12台増の37台となった。

今年、この中でチームランキング15位までに残れると来季、GPシリーズに所属することになる。


『愛、スタートの準備が整った。シグナルに集中』

愛の目線の先のシグナルが一つずつ光っていく。


ライツアウト。

37台のマシンがグリッドから勢いよく走り出していく。


愛はスーパーフォーミュラで鍛えられた反射神経でスタートダッシュを決める。

3台を一気にオーバーテイクし、4位まで順位を上げる。



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