表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Love a Race  作者: 銀乃矢
8/14

第7話「王者」

1台の真紅のマシンが走っている。

その様子をピットサイドで見守っている2人がいた。

それは松下と、萩原だった。


実はこの2人はチーム監督とチーム代表なのだ。

Symphonia Racing Development Projectは、F1で戦う松下大輝と、スーパーフォーミュラというアジアフォーミュラの最高峰で戦う2人が、自分たちで育てたドライバーが世界でどこまで通用するのか証明するために設立された。


エースドライバーの伊東望はみんなの注目の的だった。

ジュニアカート時代、小5でデビューし、初参戦の大会で格上の中学生を負かした実績がある。

その後も16歳でF3、17歳でF2と、特例ライセンスで出場し、今シーズンついに免許を取れた若手。



順調にギアを変え、速度を上げていく望。

『望、エンジン温度良好、タイヤ、ブレーキも温度は適正域。大丈夫だ。飛ばせ』

「了解」



「僕は今まで勝つことだけを使命に戦ってきた。F1と並ぶこのカテゴリーで結果を出せればF1にもつながる。行くぞF1ッ!」


望のマシンのペースがさらに引き上がる。


「望、すごいな。ベテランのタイムに引けを取らないぞ。」

「だって、この俺が見極めたドライバーだもん。」

「でも、育てたのは俺だからな?」

「はいはい。育てたのは日本トップフォーミュラでチャンピオンを取った琢磨様ですもんね〜」

「なんだとぉ?煽ってるんか?」

「違う違う。F1に一番今近い日本人が育てたからあいつは速いってこと」

「なんか照れるなぁ〜」


「ま、勝つのは俺達Symphoniaだ。」

「あぁ…」



そして、Symphoniaのマシンを追いかけるように走っていくのはToyota GAZOO Racingのデザインが施されたフォーミュラカー。


このマシンに乗るのはTGR-DCの育成ドライバーである安達響希。

彼は前年、日本のスーパーフォーミュラ・ライツでランキング2位に輝いた実績がある。

そんな彼はF1に挑戦する最後のチャンスと考え、今回、Toyotaの支援のもと、EFSへと参戦を決定した。

しかし、とある条件つきで。



21のゼッケンをつけた安達のマシンが駆け抜けていく。


「F1に一番近い世界まで来たんだ。このままF1まで突っ走ってやる。」



「…」

それをピットサイドで見守る人物がいた。


そして、この中で異彩を放つマシンがいた。

BRAIN RACINGの1番をつけるエイデン・タケダ・フィーレン。

日本とアメリカのハーフである彼はこのElite Formula Seriesを4連覇している最強のドライバー。

しかし、彼はもう退屈に思っていた。


「…つまらない。ドライバーも毎年同じ。ルーキーはここ4年来ていなかった。寝て、食べて、勝って。それを繰り返すだけでチャンピオンになれてしまう。もうつまらない。もういい。来年チャンピオンを取ったら引退しよう。」


彼の走りは王者の風格の中にどこか哀愁がただよっていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ