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Love a Race  作者: 銀乃矢
2/12

第1話「親友」

東京の山の方。

ここにある大きな家。

ここに住んでいるのは根岸愛。


彼女はクラッシュで怪我を負い、レースを降りた。


その後はこの家で自分のやりたいようにのびのびと暮らしていた。


「美味しく育つのよ〜、トマトちゃん」

植物に水をやり、行きたいところに行き、案外幸せな日々を送っていた。


「〜♬」

鼻歌を歌い、るんるんで料理を作っていた。

「できた!ボルシチ!」

まぁ、クセの強いものを作っていた。


そして、大きなテレビの前に座り、映画を見始める。

「やっぱト◯・クルーズかっこいいわ〜」

そして作ったボルシチを口に運ぶ。

「おいし…思ったより上手くできた…」


その時インターホンが鳴った。

「あ、頼んだワインでも届いたかな〜」

モニターに表示されていたのは明らかに宅急便ではないスーツを着た人物。

「あれ〜?税金納税忘れたものあったっけか〜?」


「はーい」

インターホンの通話ボタンを押す。

『ちょっと〜、開けてよ〜』

「なーんだ、真結か。今行くよー」


愛は玄関を出て真結を迎えに行く。


「真結〜、久しぶり〜。最近どぉ〜?」

「いや〜、忙しいよ。買収したVtuber事務所の世界市場開拓がかなり大変で」


彼女の名前は山野真結。

日本でも指折りの実業家。

彼女が作った携帯キャリアは国内で6割を超えるシェアを誇る。

そして今は真結の会社の傘下に入った新興Vtuber事務所の海外進出をアシストしている。


「私のところに来るなんて珍しい。どうしたの?」

「単刀直入に言うね。実は今、Elite Formula Seriesっていうレースに出てるの」

「あぁ、あのF1の登竜門的カテゴリーか。」

「でも、今、私が保有するWisteria(ウィステリア) GP(ジーピー)が消滅の危機なの。」

「え」

「ポイントは5年前に取れた1ポイントだけ。加えてうちの自慢のドライバーは移籍しちゃった。来年勝てなければ、うちに出資してくれてる投資家グループからの出資が打ち切られる。」


「それにElite Formulaが再来年からリーグ制を採用することになって、来年15位までに残れなければ再来年GPリーグに残れない。そうなった場合は絶対出資は打ち切られる。」

「そうなるとどうなるの?」

「チームは解散、うちの会社は負債を抱えることになる」


「だから、愛に乗ってほしいの。」

「私が?」

「もう、ほとんどの国内のドライバーには断られて、もう頼るあてがないの」

「もちろん乗らせてよ」

「いいの?」

「だって、親友だもん。親友からの願いを断るわけにはいかないよ」


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