第15話「モナコ決勝」
翌日。
モナコ大会は特別ルールが採用され、予選で下位17台は決勝に進むことが出来ない。
37台のうち、基準タイムをクリアした20台がグリッドに集結する。
「愛、モナコはとにかく道が狭いから…まぁ、他の車とか壁とぶつからないようにね」
「ね〜…心配になってきた」
斜め前にはポールポジションのキミ・トゥルーリ。
彼にとっては母国初優勝がかかったレース。
そして、自分にとってはチームにとって初の表彰台がかかったレース。
フォーメーションラップを終えた20台がグリッドにもう一度戻って来る。
5つのレッドシグナルが灯り、そして消える。
弾かれたように飛び出していく。
愛は1コーナーでキミをオーバーテイクしようとする。
しかしオーバーテイクはできない。
愛は無線のボタンを押す。
「ねぇ、真結」
『なに?』
「今日さ、キミの戦略真似していっちゃだめかな」
『ん〜…キミはソフトタイヤなのよね。うちミディアムタイヤだし。』
「でも、なんとかできない?」
『ちょっと待って、戦略担当と話し合ってみる』
愛の眼前にはStorm F1チームと同じカラーリングのマシンが走っていた
『愛、戦略担当と話したんだけど、キミのマネできるらしいよ!』
「じゃあそうする!」
34周目
トンネルストレートを抜けた先でスローダウンするマシンがいた。
Toyota Formulaの安達響希。
左リアタイヤを引きずりながら走行していた。
トンネル出てすぐのシケインのガードレールに激突。
その影響で左リアを破損。
なんとかピットに戻ってきたが、安達はリタイアとなった。
そしてこの影響でパーツがコース上に落下。
これによりセーフティーカー出動が宣言された。
この影響で全チームがピットに流れ込んでくることになった。
『愛!準備出来てるよ!ハードタイヤね!』
38号車がピットに滑り込んでくる。
2.8秒
38号車がコースへと戻る。
このタイミングで2台体制で戦うチームは2台入ってくる事態になり、ダブルスタック状態。
順位を下げるチームが増える。
しかし、Wisteria GPは1台で戦うチームだったため、影響もほぼ受けずにコースに戻ることができた。
『2位ね、2位、キミが前』
「了解」
愛はキミを追い上げようと攻め続ける。




