第14話「母国優勝」
深夜。
Elite Formula Seriesの関係者が宿泊するホテル。
「…ん…何時…?」
愛はスマホの時計を見る。
「まだ2時…起きる…には早すぎるか。」
ふとテラスに向かった。
「へぇ、ここからこんなにコース見えるんだ。」
その時、コースをランニングしている人影に気づいた。
「だれか走ってる…」
だんだん近づいてくるとその正体がわかってきた。
「あれ、キミ・トゥルーリ?」
コースをランニングしていたのはStorm Formula Teamのキミ・トゥルーリ。
「寝れるかわからないし、彼のところ行ってみるか」
愛はチームのジャケットを着てコースに向かった。
「キミ、何してるの?こんな真夜中に」
「なんか寝れなくてさ〜。一回体を疲れさせてみようって思って走ってた。ついでに決勝のイメージトレーニング」
今回、ポールポジションを獲得したのはキミだった。
「アイは何してるのさ」
「私も一緒。目が覚めちゃって」
「なぁ、港の方行ってみないかい?」
「いいよ」
2人は港エリアに来た。
そこには今週末のEFSを見るために駆けつけたファンたちのクルーザーがあった。
「実はさ、今EFSに出てる選手の中で唯一、母国優勝できてないの、僕だけなんだ。」
「え?」
「F3でも、F2でも、ポルシェカップでも、F1クラシックでも。どんなに頑張っても2位。」
「そろそろ勝たなきゃモナコに申し訳ないって思っててさ。」
「…」
こんなイケメンなレーサーも悩みを抱えて走っていたんだ。
「実は、私も誰にも言ってないことがあるの。実はね…」
その瞬間2人の横を車が通る。
愛が伝えたその事実にキミは驚きを隠せなかった。




