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四天王④ エメルギア 後編

 勇者様たちに手紙を書きました。

 エメルギアのコアを破壊する方法です。

 方法は簡単。しかし、実行するのは命がけです。

 果たして私の言葉に耳を傾けてくれる勇者様がおられるかどうか。

 魔王討伐が成功するかしないか、そして私にはそれ以上に意味のあることでした。

 果たして……固唾を飲んでその結果を待ちました。



【ゴーリオの手紙】


“膝、殴った。

殴った。殴った。殴った。

拳痛い。泣きそうになった。

とりあえず、今日は止めた“


「珍しく弱気になっているようだが、大丈夫だろうか?」

「ヒビぐらい入っているかもしれません。

そもそもオリハルコンを素手で殴っても無駄だと理解すべきかと思います」


(そうお伝えしたはずですがやはり、聞いては貰えないようですね)


【ガリオンの手紙】


“現在、対エメルギア魔導具を鋭意開発中。

王様と王女様に置かれましては、僕を信頼して待っていただくことを切にお願いいたします。

今後、不要不急の手紙はお控えいただけますようお願いいたします“


「おっ?! これだけか。なんというか普通だ。こうなるとなにか逆に物足りないな」

「はい。誠に物足りなく感じます」


 手紙を見て、内心でため息をつく。

 これがこの方の本心ということなのでしょう。

 所詮、私はこの方たちにとっては報酬であり、戦利品なのでしょう。そんなものからの意見など聞く耳もないということですか


(分かっていたけど腹の立つ話です)


「しかし、困ったのう。このままでは魔王を倒せるのはいつになることやら」


 お父様は眉間にシワを寄せて嘆かれました。


「まだもう1人、勇者様は居られますよ」

「ああ、あの勇者様だろ。

今までの働きを見るとなぁ。とても期待ができぬのだが。

そもそも第一印象からぱっとせなんだろ。

そうは思わなかった?」

「はい。正直に言うとぱっとしませんでした」

「でしょ、でしょ。だからなぁ。やはり本命はガリオン様かなぁ。時間かかりそうでやだなぁ〜」


(いえ、いえ、お父様。あの方がぱっとしなかったのは最初の頃だけですわ)


 内心でそう答えているところに待ちに待ったルシエン様からのお手紙が届きました。


【ルシエンの手紙】

“ありがとうございます。

王女様の言われたことをやったらエメルギアを倒すことができました。

これで村のみんなも安心して生活ができると思います。

こんなことを思いつくなんて王女様は本当にすごい方だと思います“


「なんと、あのエメルギアをあの勇者様が倒したのか。にわかには信じられないが。

そうか。そうか……いや、儂もあの方はやる時にはやる勇者様だと思っておった。

うむうむ。

ところでお前、勇者様たちになにか言っておったのか?」

「いえ、大したことを伝えたわけではありません」

「左様か。ならば良いが。ガリオン様の手紙にあるようにあまり変なことを書き送って勇者様たちを混乱させぬようにな」


 お父様はとても上機嫌のようで、私がなにをしたのかもあまり興味がなさそうです。


「今日は疲れましたので部屋に戻りますね」


 そう言うと自分の部屋に戻りました。

 ドアを閉め、1人になったところでルシエン様からのもう一通の手紙をいそいそと開きます。

 ルシエン様から私、個人に宛てられた手紙です。


“王女様の言われるようにエメルギアの右ひざにしがみついて離れないようにしました。僕を引き剥がそうとあいつは飛んだり跳ねたりしましたが、必死にしがみついていました。

そうしたら思い切り殴ってきました。

すごい怖かったけど王女様の言われるようにぎりぎりまで引きつけてから避けました。

そしたら、あいつは自分で自分のひざを叩き壊して、そのまま動かなくなりました。

王女様は本当にすごいと思います。

レギオンの時とかエメルギアの時とか僕らなんかが考えもしないことを思いつくのですから。

いつか、もっとゆっくり色々な話ができると良いなと思います。

あとこれ、エメルギアの砕けた破片です。

キラキラしてとても綺麗だったので形の面白いもの、美しいものをいくつか贈ります。

ペンダントや指輪にしたらきっと似合うと思います。


追伸

愛してます。王女様“


 ルシエン様からの手紙を胸に抱くと、なにか熱いものが込み上げてきました。


(可愛い人。

私を私として見て、聞いてくれる人。

私も愛してますとも)



四天王 全て撃破

残り 魔王のみ

    最終決戦 間近!

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