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プロローグ

今まで一位しか知らなかった天流くん。そんな彼が入学したのは進学校の聖天音高校に入学して・・・。

神奈川県横浜市旭区日世見中学校。

ここら辺ではそこそこ有名な進学校だ。

そこで俺、天流創(てんりゅうそう)



「テストの結果返すぞー」

先生がそう言うと生徒は一人ずつ結果をもらう。

「学年末テスト。今回も一位は天流創(てんりゅうそう)だ。お前らも見習えよ」

今回も一位か。

小学校のころからテストは全部学年一位。

逆に今まで一以外取ったことがない。

頑張ればそれ相応の結果がついてきた。

百点は少なかったもののほぼすべての教科が九十点後半だった。

俺は選ばれた側の人間だ創思って生きてきた。

俺は今年で高校生になる。




高校は横浜市最北端青葉区 聖北天音高校。

聖天音高校は横浜市に4つ設立されている。

入試の結果によって振り分けられ競い合う。

しかしその判別基準は明かされていない。

俺のところはは多分一番頭がいいやつが集まるのだろう。

俺は希望と喜びに満ち溢れていた。





今日は入学式。

あの頃の淡い期待はその後のHRで木端微塵(こっぱみじん)に壊された。

担任は厳しそうな女性教師だった。

「お前らこの聖天音高校の東西南北の分別基準を知っているか。特待生は例外だがそれは学力別でのランク分けだ」

「今は一位を南校が独占している。」

あれ一位じゃなく二位だったのか読みが外れたな。

「二位は東校」

二位でもない?

「三位は西港」

ということはつまり。

「そしてここ北校は最下位というわけだ」

え?

少し困惑している。

俺はいれる学校を何かの不備で間違えたのではないのだろうか。

いや待てじゃあ俺がこいつらの中で一番なのは間違いない。

ここが最下位なら俺がここを一番にする。

それだけだ。

俺が考えているうちに先生はあらかた説明を終え最後に

「最下位とはいえ進学校気を抜かずしっかり勉強するんだぞ」

そう残して教室から出て行った。




教室が少しざわめく。

「びっくりしたねぇ」

隣から高いかわいらしい声が聞こえた。

チラ見したが俺ではないと思い前を向いたままでいる

すると

「無視はひどくなーい。君だよ君。えーと天流くん」

俺だった。

「う、うんびっくりしましたね」

いかん家族以外の異性とあまり話したことがないから話し方がわからん。

彼女は少し笑って

「なんで敬語。私たち同い年でしょ。ため口でいいよ」

いや使いたくて使ったわけではないんだ。早い話コミュ障なだけなんだ。

「うん、わかり・・わかったよ」

「よろしい」

「私の名前は菫優李。これからよろしくね」

「よろしくお願いします。菫さん」

「あーまた敬語」

「あっついつい」

二人で笑っているとちょうどチャイムが鳴った。

みんなぞろぞろと教室から出ていく。

玄関まで一緒に行くと帰り際に菫さんが

「また明日」

そう言って親御さんのもとへ行った

俺も帰る。

―また明日―




今言葉が頭の中で繰り返される。

「また明日かぁ」

小中共にまともにできなかった友達が今日初めてできたのだそりりゃテンションくらい上がる。

いかんにかん明日は学期初めのテストがある。

まずはそっちに集中せねば。

そう思いながらも俺の心はいつもより軽かった。

そう昨日までは。




は?なんだこの問題。

習ってないぞ。

いやこれを応用に使えば。

いやでもそれをしてると時間が。

テストの鉄則。

表の基礎問は十五分で終わらせる。

これができないと裏の応用問題が解けない。

俺はこの鉄則を厳守してテストで高得点を出してきた。

でもそれは基礎問があること前提だろう?

このテストに基礎問なんてものはなかった。

全部が応用問題。

俺は何とか解ききったものの見直しができていない。

これは痛手だ。

次の授業はできる問題をもっと正確に。

問題の取捨選択を。

俺は四教科目で気が付いた。

全力で全問解こうとしても。

問題を取捨選択してもそれほど時間が変わらないことに。

このテストを作ったやつは人間なのか。

このテストで百点を取る奴なんているわけない。

みんな俺以下だろう。

大丈夫。

俺はテストを終え家に帰る。

家ではずっと胃が痛かった。

こんなに感触のないテストは生まれて初めてだ。

早く結果が見たいのに見たくない気もする。




そして次の日。

この学校ではテスト結果が張り出されるらしい

一位はええっと。

453点。

あんま高くないな。

菫優李?!

え?俺が一位じゃない?

ちょっと待て。

でもさすがに二位くらいには。

俺の名前は二位のところにはなかった。

三位でもない四位でもない五位六位七位八位九位でもない。

そして十位天流創 397点。

え?

俺はこの日痛感する。

自分が思い上がっていたあことを。


読んでくださりありがとうございます。次回をお楽しみに!

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