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不思議系おばちゃんが悪魔と戦う日々

主人公は不思議系おばちゃん。悪魔に翻弄されて、悪魔と戦うおばちゃんです。シリアスかと思えばコミカル、ギャグが途中で入ってくる作品を目指しています。フィクション作品です。

 それは、深夜に突然起きた―


胸、魂があるとされる場所が痛みだした。私は思わず飛び上がる。「何、なにが起きたの?どうして、嫌、助けて、誰かー」



 刺すような痛み。魂が壊れていくような痛みでとても怖い。


神様が私を殺そうとしている?それとも私は、幽霊か何かに取り憑かれてしまったのだろうか?私は鋭い痛みでのたうち回った。


ある書籍で人間の幽霊が成仏し損ねて、動物につくと妖怪になると言う話を以前見た。もしかしたら、私もとある幽霊に身体を奪われてしまったのかも知れない。


とにかく痛みが激しい。その日は痛みが凄くて悲鳴をあげることしか出来なかった。



「どうして私が?何が起きてるの?神様を怒らせたの?」考えても原因がわからなかった。



ここまでの経緯について話す。理恵子は毎日YouTubeを観ては嘆いていた。世界情勢が悪化していること、都市伝説のYouTubeでは地震がいつ起きるかで持ちきりだ。すっかり引きこもり体質になっていた。その度に日記に想いを綴った。神様にも欠かさずに祈っていた。



今年は1週間ぐらい花見の期間が延びているらしい。いつものお気に入りの桜スポット。近くのお寺の前の桜は、夜行くとライトで照らされて綺麗なのだ。昼間にふと行きたくなった。いつもは外出しないでただただYouTubeを観て過ごしている理恵子だったが、平日の昼間に思い立って近くのお寺に行くことにした。



お気に入りの緑のレースのワンピースに身を包んで出かけることにした。いつもは部屋着でオシャレなんてしない。晴れやかな気分だった。

 


ひとかずが少ないことにホッとした。

桜が見えてきて感動する。とても綺麗だった。1週間も桜が咲いているのは、神様が私の為に与えてくれた贈り物かも知れないと思った。そう思ったのは不思議でもない。



1週間で枯れるとされた桜は満開だったのだ。桜を見ている先客がいた。おじいちゃんが缶コーヒーを片手にベンチに座り、花見を楽しんでいた。ご丁寧に丸いテーブルもある。気の利くお寺だ。私も、後ろの席に座ってお花見をしたかったが、気弱な私は座ることが出来なかった。若い時はかわいいと言われた私だが、歳をとってしまい目元に自信がなくなってしまった。すれ違う人にビクビクしてしまう。



カラオケ屋さんで容姿の悪口を言われ続けたのにも原因がある。またすれ違いざまに悪口を言われるのではないか。挙動不審だ。写真だけ撮ることができて満足に思い、帰ることにした。



帰り際にふと思う。歯医者に行く日に家族がお洒落なレストランを予約してくれたそうだ。埼玉にある実家に帰る予定だ。とても楽しみである。イタリアンが好きな私に合わせてレストランを選んでくれたそうだ。



〈歯医者に行った日〉

歯の痛みがあり、以前別の保険外の歯医者で奥歯が虫歯になっているようだと言われた。歯医者につくと席に案内された。



「奥歯の虫歯治療をしてしまうと歯を以前治療した時に削り過ぎているみたいで、やめた方がいいのではないかと言われた。一度被せ物をとって確認する必要があります。もし、虫歯じゃなかったとしても、仮歯を外してしまうと神経を取る羽目になりますよ。」と伝えられた。



口臭について相談すると、「歯の間の掃除を怠るとにあわなくなります。」と言われた。わざと、洋服のことをちゃかしてきた。ショックで頭がボーとしてくる。



理恵子 「でも、そのまま放っておくと、虫歯が進行して歯を抜くことになりますよね?」

歯医者「そうですね。確認して見ますね。」「やっぱり怪しいです。どうしますか?一度クリーニングしますか?すぐに治療しますか?」


理恵子「治療をお願いしたいです。」

 



―放っておくと歯を抜くことになるかも知れないのに、治療をめんどくさがられ凄くショックに思った。突然また自殺願望が芽生えてくる。

この後家族が、迎えに来て歯医者に行くことになっていたが、沢山泣いてしまい食事どころではなくなってしまった。

ベッドに伏せて泣いていると、「可哀想に。」と声がしてくる。頭上にイエス様が浮かび上がった。



天使が私の頭を撫でて慰めてくれた。不思議と心の痛みも癒えてきた。



この日の深夜突然私の心臓、魂と思われる場所が壊される感覚に陥った。イエス様が来てくれたのに、神様じゃないとだめなのにと、手を跳ね除けてしまったからかも知れない。激痛と不安で眠れなかった。


某魔法少女アニメの幻の〇〇○が奪われるイメージが頭をよぎった。ごめんね、素直じゃなくって…

「私、魔法少女だったんだ。」と思った。



―2日目―



痛みの具合が変わってきた。何者かが体の内側にいるようで、体の皮膚を叩かれているような衝撃が起きた。


―激しい痛み。


私はのたうち回ることしか出来なかった。


旦那さん 真弘「大丈夫?救急車呼ぶ?」


理恵子 「痛すぎる。救急車を呼んで欲しい。心臓の辺りが痛いの。たまにお腹の方も痛い。」


 救急車を呼ぶことにした。すぐに救急隊員が到着され、救急車へと誘導される。

 

救急隊員①「こちらに、寝転がってください。体温を測りますね。」


救急隊員は病院に電話をしている間に、心臓に心電図を装着される。問題ないようだ。



体の震えが止まらない。ベッドにはベルトがついている筈なのに体が僅かに浮かび上がった。


どうやら発作が起きたらしい。救急隊員にはてんかん発作はないか聞かれた。


「今までそんな発作起きたことないです。」



そうこうしている間に病院についた。病院に着くと再度体温を測られる。痛みの具合や何処が痛むか聞かれた。


「心電図を測りますね。」と看護師?医師どちらかに言われ、触診された。飛び上がるほど痛い。


理恵子「痛いです。痛い。」


看護師?「動くと測れないので、動かないでください。」

理恵子「申し訳ないんですけど、痛くて無理です。」

医師が来て、看護師が状況を伝えた。


「触診しますね。痛みがあったら教えてください。どうですか?」  


理恵子「痛いです。」


医師「痛みますか?これぐらいしか触ってないんですが…」足の部分を軽く触られた。痛くないのが不思議だった。 


「心電図、心臓の方はきちんと動いていて問題ないです。救急でできることはここまでです。」


理恵子「そんなはずないです。」


……………………………………………………………………

看護師①「あの患者、大声で騒いでうるさいよね。」


看護師②「でも、てんかんの発作はあったみたいよ。救急隊員の人が全員見たらしいの。」



そんな陰口が私の耳に届いた。原因不明の痛みだけが残った。帰る時には不思議と痛みが和らいでいた。



タクシーを呼んでもらい、自宅へ帰る。

タクシーの中で、神様に祈っているのにどうして護ってくれないんだろう。ぼんやりと窓外の景色を見つめて考えていた。


…………………………………………………………………………



―3日目―


頭の辺りを覗かれているような感覚に陥った。ほうっと頭上で声がした。神様だろうか?今私ってどういう状況なんだろう。考えても考えても原因がわからなかった。


不眠が襲ってくる。また定期的に原因不明の痛みが襲ってきた。



トイレに行くと、自分の口から雄叫びが出た。よくある悪魔払いのそれだ。この痛みの原因は悪魔のせいなのか?



イエス様とおぼしき人が、「理恵子さん、貴方には悪魔が付いていますから協力してください。」と声をかけてきた。


イエス様「悪魔を追い出すので、そのまま耐えてください。」と、伝えてきた。


私は、あまりの苦しみから協力することにした。雄叫びは辛いが、このまま我慢すれば私の中にいる悪魔が出て行ってくれるかも知れない。


雄叫びが続くにつれて、だんだんと声が出づらくなってくる。私の中の悪魔が外に出て行ってくれているような気がした。だが、中々終わらなかった。私は、イエス様に協力しようと思い、自分で自分の首を締めた。

 


別の悪魔と思われる者が、「苦しいのに首を絞めるな。」と言ってきた。


更に別の悪魔も「奇人、変人だ。こいつ、自分で自分の首を絞めたぞ。」


ギャハギャハと室内に笑い声が聞こえてきた。



肝心のイエス様は「ごめんなさい。悪魔を払うことは出来ませんでした。私も払えるか頑張ってみますから、理恵子さんももう少し耐えてください。」と、伝えてきた。



深夜になり、二人の悪魔が体の内側をパンチしてくる。低い声と高い声の悪魔二人組だ。区別をする為に、低い方をシキさん。高い声をアオトさんと名付けた。



名前をつけるとシキさんは「私に名前をつけおって。」不服そうに伝えてきた。魔王の名に相応しい悪魔だ。逆らうと直ぐに殺されてしまいそうな悪魔だ。


アオトさんは、「名前つけられたよ。もう俺ダメ笑。こいつ変わってる。自分で首も締めちゃうし。」とケタケタと笑い出した。


アオトさんは、少年そうで可愛らしい雰囲気もある。この悪魔さんに、助けてもらえないだろうか期待で胸が跳ね上がる。



深夜寝ていると声がしてきた。

アオトさんとシキさんが揉めているようだ。



シキ「お前が出てけよ。」 


アオト「いやいや、俺は出て行かないよ。」


シキ「ここは、私の縄張りだ。」


アオト「やめろよ、このっ。」 


シキ「私の方が強いのがわかるだろっ、この、中級悪魔。」


アオトさんは弱いようで一方的にやられているようだ。二人は、私の体の中で暴れ回っている。その度に私の体は悲鳴をあげた。


「痛い。私の中で争わないで。」


そう伝えるとシキさんは、寝てたと思っていたのにお前のせいだぞ。とアオトさんを責めた。



…………………………………………………………………


シキさんとアオトさんを追い出そうと、別の天使らしき人も私の中で動いていた。悪魔達二人は天使に引っ張られるが、私の体にしがみつく。追い出してくれるのは有り難いが、私の臓器が壊れるのではないかとヒヤヒヤだった。


「天使さん、あんまり無理をしないで。」と思った。


悪魔達二人が深夜にまた相談していた。


アオト「俺に考えがあるよ、シキさん。理恵子は、俺を頼ろうとしているよ。俺に護って貰いたいみたいだ。俺には魂をくれるかも知れない。」


シキ「貰ったら魂は俺にくれるんだろうな。」


アオト「やるわけないだろ。」


シキ「この、このっ。ぶっころす。」


理恵子は、悪魔達がまた相談してると思い声をかけた。「やめてください。」


シキ「この、お前のせいで計画がパーじゃないか。このっ。」


騒がしい日常が始まった。


この日を境に悪魔達が、魂の契約をしようと持ちかけて来た。その度に魂の契約をできないと伝える日々。


変わるがわる私の言動に寄せた天使達が悪魔と会話をしてくれた。


「はー、次の天使が来るまで私が入りますから、理恵子さんは何もしないで黙っていてください。」と天使が伝えた。


悪魔達 「魂をくれよ。」


天使「魂の契約はできないです。」


何度も伝えてきた言葉を代わりに天使達が伝えてくれたのは有り難がった。


すると気弱そうな天使が交代で入った。


悪魔達「魂をくれよ。」


気弱天使 「魂の契約はできないです。」


理恵子「誰か助けて」


悪魔達「おい、今別の声がしたぞ。お前本当に理恵子か?」 


気弱天使「理恵子さんは、余計なことを言わずに黙っていてください。はー」


気弱天使「誰かって誰ですか?」


理恵子「神様助けて。」


悪魔「おいおい、天使さんは神様と話せるんじゃないのか?祈りで通信か?」


気弱天使「はー。理恵子さんは、もう黙っていてください。」

何も思ってはいけないのに、深層心理で悪魔に伝わってしまう。どうしよう。怖い。


気弱天使

「はー、もう理恵子さんのことは助けられないかも知れません。」


悪魔達「おい、気弱天使。お前も悪魔になったらどうだ?悪魔はいいぞ。自由だしよ。お前気弱そうだな。俺の方が強そうだ。なぁ、俺と一緒に悪魔になろうぜ。でも、魂は俺が食うがな。」


気弱天使― 理恵子さん、私では無理かも知れません。次の天使を頼ってください。

その後は天使さんはいらっしゃらなかった。


この日の幕が閉じる。

この後も理恵子の奮闘の日々は続く。






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