8 魔力増強
ユリは山中の地下に空洞を作り、土砂を集める。目的は魔力増強だ。
8 魔力増強
魔力の増強はアイテムボックスの中でゴミをスライ厶に分解させることで実現できたがゴミでなくても土砂でいいことが判った。そして転移先の様子を見る魔法、転移先の改善をする魔法、空気がなくても魔力で呼吸する魔法を作った。山地の地下10キロメートルに空洞を作り、そこに転移して土砂を採取した。アイテムボックスの広さは魔力に連動するらしい。土砂を採取してスライ厶に分解させるほどアイテムボックスが広がり、更に土砂が採取出来る。
復興支援の物質ができる。
魔力を増強すれば出来ることも増える。分解した土砂から貴金属や宝石も出来る。魔王討伐後の復興支援に役立つだろう。
分身体と協力して作業を進むた。王子に出発前の最終確認のため呼ばれた。明日の朝7時出発。出来るだけ馬車で移動するが、最後の数日は徒歩になる作戦は練習通り、疑問に思う点があれば王子に尋ねる。
いよいよ明日出発だ。思うことはあるがとにかくやり抜くことだ。アイテムボックスにいろいろなものを入れたし魔法も増やした。敵地潜入のため透明化も作った。どんな敵が現れてもやり合う自信はある。もし本当の魔王だとしても自信は揺るがない。
王子に聞かれた。
「まだ魔王騒ぎだと思っているのか。」
返答によって叱責があるのだろうか。
「完全に払拭出来たわけではないですが、今は戦いに全力を尽くすのみです。」
王子は悟ったように、
「それでいい。一緒に戦ってくれるなら多少の考えの違いは有っていい。」
彼はこの国の王子様、私は異世界人、考え方に違いがあるのは当然だ。子どもの頃からあの姿を魔王と信じ育てってきたのだ。今さらあれは魔王ではないと言っても仕方ないことだ。とにかく倒すしかない。
軍務長官の部屋には3人の大臣級の人物が集まった。密会と言うことで側近もメイドもいない。
「いよいよ討伐が始まりますね。聖女が今回の魔王は4回目の魔王と違う生き物だと言った時はひやひやしましたが。大人と子どもの違いと言う説明で納得したようです。以降も街人の治療や魔物討伐していますから聖女であることは間違いないようです。」
小太りな男が言った。
「それは重畳、あの王子は正義感が強いところがあるのでもし聖女が力を発揮しないまま討伐が完了してしまったら疑問に思うかも知れないですからね。」
長身な男が言う。
「その当たりは前もって、聖女は存在することが大事と伝えましたが心配なかったようですね。」
軍務長官は言った。
「実際召喚しても能力が使える聖女は2割といいますしね。あたりと言うか外れと言うか難しいところですね。」
中肉中背の男が言う。
この集まりは魔王騒ぎの中核だ。暗部やご用学者
少数の役人たちを使って今回の魔王騒ぎを起こした。誤算と言えば王子の正義感と聖女の有能さだ。
出来れば王子を仲間に入れたかった。しかし侍従長が止めた。王子はそのこと知ったら騒ぎ出しますと言った。結局王族には誰も相談出来ないまま実行することになった。正室の生んだ知力体力に優れ潔癖症な勇者の長男は疑うことなく討伐に臨む。
軍務長官らが集まり談合している。彼らは魔王騒ぎを起こした主核だ。