4 魔法の使い方
多重魔法は相性がある。火魔法と水魔法では打ち消し合う。
4 魔法の使い方
いきなり魔導書を渡されても何も判らなかった。しかし、魔法が使えるようになると染み込むように魔導書の内容が理解出来た。そして魔導書に載っている魔法を試す。魔導書は4冊あり初級、中級、上級、極上級だ。ユリは極上級まで使えるようになった。ユリは魔法のまの字も知らなかったわけで魔法の常識がない。ユリは他の魔導書を読みあさりユリなりの結論を得る。誰もが全ての魔法を身に付けているわけではない。ある魔法で対処しなければならない。得手不得手は有ってもどの魔法を使わないと不正解ということはない。ようは使い方だ。
もう一つ魔法の相性だ。火魔法と闇魔法の多重魔法は強烈だ。一般に重ねると魔法は強化される。しかし火魔法と水魔法の多重魔法では打ち消し合う部分が多く意味がない。光魔法はどの魔法との相性が良い。闇魔法との多重魔法は創生魔法になりそうだが今はゆっくり研究出来ないので後日の課題だ。
魔法に見通しが立ったので他の教科についても見る。王都から魔王の城まで直線距離で500キロメートル。馬車を利用するそうだが向こうへ到着するまでにどのくらいかかるのだろう。現地のあたりの地理は判らないがあまり良くないようだ。国は南に海に面するやや高温多湿の農耕地帯だ北に行くほど山地が多く人口の大半は南で生活している。
この国は歴史上4番目に現れた魔王に300年暴虐され滅びた国の後に出来た国だ。建国は魔王を討伐した勇者だ言うがその相方の聖女の名がない。すでに死んでいたのかも知れない。何故4番目の聖女は戦わなかったのだろう。怖かった。戦うことが嫌い。私だって好き好んで戦うのではない。私が戦わなくては国民が塗炭の苦しみに遭うからだ。でも今回の魔王は違和感がある。会って確かめたい。
回復魔法が使えることがはっきりしたころだ。魔物によって大き被害受けた街が有った。私は行って救援活動に加わりたいと言った。王子はきみの役割は民衆の救援ではない。魔王の討伐だ。と言われた。ユリも引き下がらない。
「民衆を救えない聖女が魔王を討伐出来るでしょうか。救援と討伐は表裏一体です。」
呆れた王子はしかなくユリに救援を命じた。ユリは街に出掛けた。
街で魔物被害があった。回復魔法の出番だ。