3 ユリの日々
ユリの日々は忙しい。魔法、一般教養、社交の授業の他魔法の特訓まである。
3 ユリの日々
魔法と縁のない14年を過ごし、いきなり魔法の素質があると言われても出来るものではない。教師に魔法の共通の部分を習って、繰り返し自習して出来たのは水魔法だ。コップに水を満たすことが出来た。努力することに苦痛を感じないたちなので、ひたすら習ったことを繰り返す。次は風魔法が出来た。王子に話すと光魔法が出来る前兆だと言ってくれた。
召喚から2週間経ち、ウサギの傷付けた耳が治るのを確認した。何度も繰り返すのでウサギが怒って逃げ出そうとした。追おうとした時ウサギがすっと宙に浮きこちらに戻った。サイコキネシスだ。超能力が使える。いろいろな魔法が脈絡もなく使えるようになる。ある日ウインドカッターが使えるようになると翌日ファイヤーボールが使える。殲滅の光魔法を使えるになると言う目的のために魔法共通の基本を繰り返す内に違う魔法が次々使えるようになる。歴代の聖女も同じだったのかと考える。嫌そんな筈がない。もっとピンポイントで達成した筈だ。自分には光魔法の素養が足りない。ジリジリした日が続いた。一ヶ月を過ぎて目の前の魔物の死体が消えた。王子に報告すると、
「そろそろメンバーを呼ぶか。連携の練習もした方がいいと思う。」
ユリ、王子合わせて戦闘メンバー10人だ。これに非戦闘員6人を合わせた16人が討伐のメンバーだ。戦闘メンバーが一同に集まった。ユリが紹介され、ユリが光魔法で魔王を消滅させるのが勝利条件だと王子は言う。そのための連携だとも。幾つかのフォーメーションを組みながら練習して、実際に魔物を使って殲滅させた。ユリが参加するのは途中だけだ。どうやってユリに繋げるかが彼らの課題で練習が終わった後の宴会にもユリは参加しない。
ある日アイテムボックスが手に入った。またたまだがゴミをスライ厶が分解すると魔力が発生することが判った。これにより取得する魔法が飛躍的にました。
アイテムボックスのこと、魔力増強、取得する魔法の増加のことは誰にも話していない。しかしある日突然練習でのユリの動きが良くなったこと。王都のゴミ集積場のゴミがごっそり無くなったという話しは伝わる。ユリの動きが良くなったことにメンバー全員は喜んだ。討伐の成功確率が飛躍的に上がる。来週には出発だ。不安要素は何もない。
魔法が飛躍的に伸びたことは秘密だが身体能力は自然に出てしまうのでかくしようがない。スピードと強さが格段に上がった。光魔法が強くなっていることは一緒にやって居れば判る。立派な聖女様だ。後聖女達の歴伝によるとユリは特別若いらしい。恰幅のいい人も居て初老の聖女もいたらしい。想定は30代の女性のようだ。ユリは想定外の聖女だ。
ユリの成長は目覚ましい。予想以上のユリの働きに王子達は喜ぶ。