2 召喚されたわけ
召喚した理由を聞かされた。とてもじゃないが納得できるものではないがここで暮らすしかないらしい。
2 召喚されたわけ
老教授は痛ましげユリを見た。
「本来召喚は禁断の魔術です。多大な人数、日数をかけ異世界から人を拐う。その人の夢も希望も家族や友人と引き離す。国家的犯罪と言われるのも当然だと思います。しかしこれはやむを得ず行っています。帰る方法もないままに召喚されたあなたには申し訳なく思います。でもこの世界に住むものには光魔法が使えません。4回目討伐失敗は召喚した女性が頑として討伐に参加しないと言い放った結果です。光魔法無しでは、魔王は何度倒されても復活してしまいます。彼女無くしての討伐は成立しません。時を於いて再召喚を実施して討伐を行いました。しかしもはや討伐が不可能なほど魔王は強くなりいくら勇者、聖女と言え歯が立たず300年の暴虐を許してしまいました。あなたが心ならずも召喚されたことは理解しています。しかし、あなたが光魔法を使ってくださなければ、この国や周辺国含めて塗炭の苦しみにあいます。可能な限りあなたの希望を叶えます。何卒討伐隊に加わって魔王を討伐してください。」
老教授の真摯な願いが伝わってきた。ユリ自身割り切れないものを感じではいるが、周辺国を含め国民が塗炭の苦しみを感じるのは避けたい。ただ一つ疑問が残る。
「教授のおっしゃること理解しました。私も国民が塗炭の苦しみを味わうを避けたい気持ちに変わりありません。しかし、6回目と今回の魔王が4回目の魔王の幼体とは思えないのですが、教授はどう思われますか。」
教授は困った顔をした。
「魔王の目撃情報は少なく、どんな成長をするかはっきりした情報はありません。兆しがある以上疑問は有っても魔王の幼体と考えるしかありません。」
老教授は学者として不甲斐ない返答だ思っているようだ。
「ありがとうございました。お陰様で私も全力で戦えます。」
後は日課や日程、討伐の話しだ。私は王子の客人扱いになるらしい。部屋は客室が与えられるが個人の世話は王子の女性の側近と王城のメイドが当たるらしい。魔法、一般教養、社交などの家庭教師が教育に当たる。夕食は王子と一緒らしい。約2カ月の教育期間後討伐に出る。討伐終了後は望みが叶えられるらしい。
聖女の魔法は光魔法で回復魔法と魔物や魔王を殲滅する魔法だ。光魔法にはライトという明かりを灯す魔法や暖かさ持たらす魔法があるが聖女しか光魔法を使えないので詳しいことは判らないそうだ。
魔法の授業と言っても他の魔法を使える教師に魔法の共通したことを学び、独力で光魔法を取得するらしい。
夕食は王子と一緒だ。男性と2人の食事だが、周り沢山人が居るのでどきどきしたりはしない。学校の給食のようなものだ。王子が召喚されて体調や気分はどうか聞いてくれた。
「始めは驚きましたが王子様が優しくしてくださるので落ち付きました。自分のやることもはっきり判り自覚も出来ました。」
王子は王城のしきたりや討伐のこと討伐のメンバーのことなどを話してくれた。全員王子の仲間らしい。
討伐メンバーは全員王子の仲間らしい。私だけはばだ。