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魔王☆転生

 強い光と喧騒の中で、私は目を覚ました。

(ここは......何処?)


ゆっくりと体を起こし、周囲を見回すと、目の前に広がるのは私が全く知らない世界であった。


高くそびえ立つ長方形の建物に、黒色の道を走る謎の物体、あれは......馬車だろうか? にしては速すぎるし馬もいない、轢かれたらひとたまりもないだろう。


通り過ぎている人々は皆、黒いスーツに身を包み、鞄や紙の束を手に持ち足速に通り過ぎて行く。

ここに魔王がいるというのに、全く恐れていない様である。

それどころか......

「あら!可愛いわねぇ」

「コスプレ女子ちょー映えるぅ!」

等と謎のワードを並べニコニコとこちらを見つめてくる。


(なんだこいつらは、私を見て怖くないのかしら? まあいいわ、そんな事より元の世界へ帰らないと)


そんな時、遠くから微かに魔力を感じた。


雑踏を掻き分けその魔力の発生源へと走る、そして魔力は近づけば近づくほど強くなっていった。

「ここね、魔力の源」


それは全面ガラス張りの、棚には本が所狭しと並べられている店。


入口の前に立つと、ドアが自動で開き

「いらっしゃいませ!」

と店員の声が店内に響き渡った。


店員には目もくれず私はただ一点へと歩き、ある棚の前で立ち止まった。


見たことない文字だが、何故か読める。

(異世界転生してスローライフを送る!)

(神様からチートスキルを授かってしまった!)

(竜紋の少女と四大竜の伝説)

などと表紙に大きく書かれたその本を見て、私はある仮説を立てた。


"ここは異世界で、チートスキルを持った勇者はこの世界から生まれ、なんらかの形で私の世界へ送られてきているという事"


これが本当だとすれば、ここにある本は全てその勇者達が持つスキルのパターンや傾向を記した私にとっての《参考書》ということになる。


そうと決まればやる事はただ一つ


ここにある本をすべて元の世界へ持ち帰り、分析し、作戦を練り勇者に備える。


「ブラックポケット!」

私は近くに次元の穴を出現させ、片っ端から本を手に取っては穴へ放り込んだ。


一通り入れた後、次に重要なのはどうやって元の世界へ戻るかであった。


その時......


「デュフフ、さては貴方......逆転生者ですな?」


いつの間にか私の背後には謎の男が立っていた。魔王である私に気付かれずに背後をとる男、只者ではないのは明らかであった。


「あ、貴方は何者?」


チェック柄のシャツに丈の短いダメージジーンズ、背負ったリュックからはポスターが突き出ているその男は、ニィッと笑い答えた。

「拙者は、尾田 活弥(おた いきや)

異世界を愛し、日々異世界の研究に勤しむ異世界研究員(自称)で御座る」


「それで、その異世界研究員とやらが私に何の用?」


「拙者なら、貴方を向こう側(異世界)へ送って差し上げられましょうぞ」


「本当?!」

事態の突然の進展に驚きが隠せない。


「まあ、ついてくるでござる。とりあえず歩道まで行けば後は楽でござるよ」


尾田に言われるがままついて行き、店を出ると尾田はすぐに立ち止まった。

私は不思議に思い

「ねえ尾田、何処にあるの?その向こう側への道は」

と問う。


尾田は暫く黙り、再び口を開いた。

「ここで良いでござる。人は大体バスかトラックに轢かれれば転生できるでこざる」


「え、何言って......」

状況が理解できていない私の襟を尾田は掴み、走る車の前へ放り投げた。


ドンッッ!!


激しく衝突した車には傷ひとつ付いておらず、魔王の姿はもうそこには無かった。


「どうやら、上手くいったようで御座るね......魔王殿」






私は......死んだの?


「...さま.....シェイラズ様......」

「魔王様ぁ......起きるにゃ〜...」


聞き覚えのある声がする。

私はその声を聞いてベッドから飛び起きた。


ベッドの横にはウィリアムとヌコが心配そうにこちらを見つめていた。


「起きたにゃ!魔王様、消えたかと思ったらまた空から降ってきてびっくりしたにゃ〜よ」

ヌコは目覚めた私に抱きつき、離れようとしない。


「こらヌコ、魔王様はお目覚めになられたばかりなのですよ、離れなさい」

ウィリアムが呆れたようにこぼす言葉の中に、かすかに安堵のようなものを感じた。


私自身も、今までの緊張から解放され、安心していた。

「2人とも心配かけてごめんね、もう元気だから大丈夫! それより、勇者対策が今までより更に進歩するわよ!」



その日、日が暮れるまで異世界での出来事を話し、勇者対策の案を出し合った。


次はどんな勇者が来るのだろうか?


つづく...



























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