しのぶレッスン
会話オンリー
「忍先生教えてください」
「ギブか?」
「ギブです」
「まあ、主様の《鑑定》レベルじゃわからん事の方が多いか。特別に教えてやるかのう」
「ありがとうございます」
「お姉ちゃん主従逆転してるよ?」
「忍は先代の百鬼夜行だから知恵袋として頼りにしているんだよ」
「確かに配下に下るとは言ったが知恵袋として我を求めていたのじゃな?」
「忍先生、授業をお願いします」
「露骨に話を逸らしよったか。まあ良い、それでは授業を始めるとするのじゃ。とは言ったものの、知りたいのは百鬼夜行についてじゃろ?」
「そうだね」
「前提として百鬼夜行とは我らのクランであり、主様の力の源でもある。スキルの《百鬼夜行》じゃが、クランメンバーの力の一端を主様が扱うためのスキルじゃ。次にアーツの【百鬼夜行:契約】は怪異を従えるためのテイム用アーツじゃな。我のように主様よりレベルの高い怪異は相手の合意があって初めて成功するはずじゃ。逆に主様よりレベルが低い怪異は基本的に成功するはずじゃな。主様が一番気にしているであろう付喪神についてじゃが、主様が産み出したやつは自動成功するはずじゃよ。」
「なるほど。生産した武器とかを付喪神にするにはどうしたらいいの?」
「怪異としての力を注ぎ込んでやれば良い」
「忍さん、クランについて質問」
「妹君からの質問もあるのじゃし、クランについても説明しておこう。まず、クランとギルドの違いじゃが、クランが私設組織なのに対しギルドは公的組織なのじゃよ。仕事で例えるとクランが会社員で、ギルドは公務員じゃな。クランを作りたかったらエジルの小僧にでも書類を用意してもらうのじゃ。ただし、我ら百鬼夜行の様な特殊なクランを除くとクラン設営はとてつもなく面倒くさい審査やら何やらを経てようやくと言ったところじゃな」
「審査とかについては?」
「小僧に聞け。それで他に質問は?」
「なんで忍の力は使えないの?」
「我と主様のレベル差が大きいのと、我のスキルはほぼ全て封印されておるのじゃ」
「封印の解き方は?」
「おそらく主様が強くなることじゃな。そもそも主様との契約が無ければ今頃GMAIとして働いておったと思うぞ?」
「つまり、忍さんはお姉ちゃんと契約したことにより消える予定だったのが消えなくて済むように変わったと」
「特殊クランの主は基本そんなじゃよ」
「二人とも、私はこれからどうしたらいいの?」
「まずは、クランホームを従えに行くのを勧めるのじゃ」
「拠点があれば生産がはかどるからね、お姉ちゃん」
「わかった」
「それにしても掲示板が荒れるな」
「何か言った?」
「何でもないよ。またね、お姉ちゃん」