こころチャーム
「それじゃあ私はログアウトするね」
「またね」
「うん。ログアウト実行」
はへー。ログアウトエフェクト初めて見たけど、光の粒子になって消えるんだ。
バターン
「お姉ちゃん、パーティー戦の準備できた?」
「この短時間でって言うか、何を用意すればいいわけ?」
「私のファンに対するお姉ちゃんからのお礼?」
「なぜ疑問系」
「ぶっちゃけた話だけど、お姉ちゃんの手を煩わせるぐらいなら、死んだ方がマシって考えてるからね、私」
「それやったら絶対に許さないからね」
「うん。今私が消えてもお姉ちゃんの生活がしんどくなるだけだからね」
「ココロ!」
「その怒った顔もかっこよくてかわいいよ、お姉ちゃん」
本当にいい加減にして欲しいな。真面目にウザいかもしれないな。
「イチャつくのも大概にして欲しいのじゃ」
「忍!私のどこがイチャついてるの?」
「忍さんにも認めてもらえたし、親族婚を認めてもらえる法律を創らねば!」
「できると思ってるの?」
「お姉ちゃんと心中して異世界転生すればできると思うよ」
「フザケルナヨ?」
「ごめんなさい(でも妹離れのひどいお姉ちゃんにも責任があると思うけどな…)」
「何か言った?」
「いえ何も」
「ならいいや」
この妹、早くなんとかしなくちゃ。手遅れになる前に…ってもう手遅れになってるか。だけど最後の最後まで出来る限り、足掻き続けようかな。あれ?目から汗が出てきたな…なんでだろ。
「お姉ちゃん…私のことで悩まなくても一言命じてくれればなんでもやるよ?」
「私のことを諦めて」
「無理♡」
うん…目をハートにして言われるとみょんな説得力があるな。実際、庭師兼剣術指南役の人よろしくの二刀流の腕前だしね、ナイフさばきは。いや、こっちだとダガーを使ってるか、さすがにリーチの差で。まあ、取り回しが少し変わるだけだし、たいして変わらないか。
「ん?目がハート…魅了状態?」
「じゃな」
「魅了なんか使わなくても私は昔からお姉ちゃんにぞっこんだよ、お姉ちゃん♡」
「さすがにこの状態はちょっと…」
「せっかくのスイーツが不味くなりそうじゃな」
「忍、お願い」
「しょうがない主様じゃな、ほれ」
『お姉ちゃん!部屋の中に私以外の人と一緒って浮気なの?ねえ!お姉ちゃん!』
「ドンドコ扉を叩く音が煩いね」
「さっさと魅了を解くのじゃな」
「できたら苦労しないよ」
「なんじゃと?」
「世の中死んでも治らないモノってあるよね…」
「目が虚ろになっとるぞ、主様!」
「何事も諦めが肝心なんだよ、忍」
「言ってみるだけタダじゃよ」
「………チャーム解除」
「お姉ちゃん~!」
「魅了解けたの?」
「うん」
忍…ナイス。
ストックが貯まらねぇ




