みくヴィラン
「お、女の子一人とは運がいいな」
「そうですね、アニキ」
「殺っちまいましょう」
「ふーん」
まあ、殺られるつもりはないけどね。
あ、そうだ!サーニャちゃんって巫女って言ってたよね。巫女と言えば神様に捧げる神聖なる踊り…なんて名前だっけ?まあ、踊りながら戦うか。
「ブレイクダンスか」
「このごに及んで踊るとは状況が理解できてなくてかわいそうな奴だな」
「そうですぜアニキ。とっとと殺っちまおうぜ」
「うーん…物足りない」
舞闘をやるには相手の弾幕や手数が足りなくて魅せられないや。
ん?舞闘ってなんだっけ?もしかしてだけど、ヘルマラソンの時に体が覚えてしまった技術かな?ってことは一昨日は走りながら戦い、踊っていたってこと?我ながらよくそんなことできたね。
「死ねやオラ」
「返すね」
「ガハッ」
「大丈夫か兄弟」
「あの嬢ちゃん、見た目に反して力がつえーぞ」
「オレが出る」
ドゴーン
「落雷だと!?」
「この晴天で落雷とはやってくれるではないか」
「全員で来たら?」
「なめやがって」
「あなたの動きはもう見切ったし、覚えたから用済み」
ああ、楽しい。とても楽しい。だってバットを武器にする不良との戦いだもん。珍しい武器での戦闘…ってほどでもないな、よくよく考えたら。だって、バットはメイスや棍棒の一種だし…そう考えるとなんかしらけちゃったや。
「てめぇ、さっきよりなめくさってやがるのに当たらねぇってどういうこった?」
「言ったじゃん。あなた達の動きは見切ったってさ」
「オラッよっと」
「チェーンソー飛ばされちゃったか」
「これでてめぇも絶体絶命ってわけだな」
「さすがですアニキ」
「殺れ、【マギテックチェーンソー】」
ゴロゴロガシャッーン
「雷がうるせぇな」
「アニキ後ろ」
「あ?ッ、なんでチェーンソーが飛んでくるんだよ」
「理由?私は一人であっても一人ではないから。たったそれだけの事だから」
「アニキ無視して何インベントリいじってるだよ」
「はぁ…来なさい、私の為に」
「なんじゃそりゃ」
「鍬ってねぇだろ」
「農家だからチェーンソーを持っていたのか」
この子は真宵が全ての作業を行った最高傑作と呼べる代物なんだよね。
「【アースクエイク】」
「地震?起こせるわけねぇだろ」
「アニキさっさと殺っちゃってくださいよ」
「てめぇ状況見て言えや」
「アニキが苦戦しているだと」
「3…2…1…0。ゲームオーバーだね」
「なんで地面が揺れてやがる」
「私専用のこの子ならこの程度地震が起こせるんだ」
「実験に付き合わされてるのか」
「やっぱり付喪神になると力が強くなるだね」
「イカれてやがる」
「アニキ危ない」
ドゴーン
「兄弟!」
「アニキのこと頼んだそ兄弟」
「よくもオレの舎弟を殺ってくれたな」
「落雷に自ら当たりに行く方が悪いと思うし、ここでは殺るか殺られるかしか基本的に無いんだよ?」
「糞が!!」
「そこ!」
「アニキー」
「我を忘れて目の前の敵から目を離すから私のチェーンソーに殺られるんだよ」
「ああぁ!」
ドゴーン
「お疲れ様。マギテックチェーンソー」
にしても、忍に出来るだけ恐れられて来いって言われたけどさ…悪役ロールってこれであってるのかな?
掲示板のアレ回収できてよかったわ




