管理者と後始末
「死にそう…」
「ええ…同意するわ…」
さかのぼること数分前、劇薬を調合してしまったから処理して欲しいと学校に頼まれたのが原因だ。
そしてその劇薬の内容なのだが、とにかく臭い。僕はともかく、ニアは鼻が良く利くからとても辛そう…まあ、鼻に空気が入らないようにすればいいだけだけどさ…
「こんな匂いの劇薬知らないわよ」
「まあ、確かにな。多分これ匂い系の劇薬だろ」
「そう考えないと納得できないわね」
「ん?え…気絶者一名発見」
「まさか…本当にいる…」
「気配が分かり難いな…」
「五感の内の一つ封印されてるしな、擬似的にだけど」
「私も気絶して逃れようかしら?」
「え、一人で二人運ぶのはいやだよ?」
「冗談よ。そいつ運ぶからあとよろしく」
まあ、こんだけ臭いからな耐性無かったら気絶もするわな。
約五分後
「処理終わったが…尋問するか」
「やっておいたわよ」
「で、報告を聞こうか」
「シュールストレミングにスカンクの分泌液を混ぜ込んだりと臭い物で闇鍋したみたいよ」
「馬鹿なの?」
「馬鹿としか言い様がないわよ、なんせ授業で使う物品として別の理由でそれぞれを取り寄せて好奇心一つで混ぜ込むような大馬鹿野郎ね」
ニアがそこそこお怒りに成っておられる…あの先生には全く同情できない。むしろある程度罰が下るといいと思う。具体的には材料費分の給料天引き後、月給が少し減るとか……校長に伝えておくか。
「それで今日から始まるイベントには参加するの?」
「時間決めて参加かな。それ以外は……いやフルだな。疑似人格ももちいれば行けるだろ」
「それって授業中も?」
「あ…昼間は無しにしておくか」
「そう。私は自分の呪術書を入手するために周回するわね」
「は?」
「レイドボスガンバってね♡」
首を傾けてウィンクですか……十分致命傷に届きうる尊さだよ!
「吐血はしないから安心しなさい」
「そりゃもちろん鼻血も出すつもりはないぞ」
「当たり前よ」
「今日の夕飯どうする?」
「リクエストいいの?」
「なら「言っとくが海鮮丼は無理だぞ」は?」
「いや、だっていつもの仕入れ先そろそろ閉まる時間だし、やってたとしてもいい魚は売り切れてる。だから無理」
「ダメ?」
「おねだりしても無理なものは無理」
さて、海鮮丼を封じたら何を望むのかな?
「……親子丼」
「鳥?」
「鮭」
……鮭の親子丼は海鮮丼の一種だと思うが…
「スーパーの安物でいいならな」
「良いわよ。あなたの腕前ならおいしく仕上げる事ができるはずだから」
スーパー行くか…
そろそろ一票ぐらいくださいよぉ




