英国面の交渉術
「つまり私の早とちり?」
「うん。称号の設定ミスってプレイヤーでも獲得できるようにしたって攻められて、その罰として"し"のデータを集めて来いって言われてさ」
「し?」
"し"っていろいろと該当する意味があるけど言い方からどれか分かりづらいし、なんだろ?
「まあ、ミクが気にする事じゃないから。この際言っておくとミクを対象とした掛けは公式で既に三回行われてるんだよね」
「は?」
いや聞いてないんですけど?
「昨日のイベントにおいて誰が上位入賞するかの掛けが行われていて、一番稼いだのはネヴィル・茜って言うプレイヤーなんだよね」
「え?茜ちゃんが?」
「全ての部門において一位予想を当てて、しかもオッズが高い方に高額ベッドしていたからね」
「私は単純にパンジャン占いで決めただけだよ」
「茜ちゃん来たんだ」
「そりゃぁ私も[百鬼夜行]のメンバーですから」
「クランメニュー、ネヴィル・茜にサブクランマスターの権限を付与」
よし、茜ちゃんなら任せられる!
「いや、何やってるの?」
「茜ちゃん、クラン[百鬼夜行]の外交担当責任者兼パンジャンドラム開発責任者に任命します。ネコですをこき使ってあげてね」
「忍さん、いいのかな?」
「我の立場を気にしておるなら問題無かろう。なんせ我はマヨヒガに引き込もってひたすらにスイーツを食べ続ける日々を満喫しておるからな」
「茜ちゃんは交渉事得意でしょ?だってよく商店街で値切っているの見るし」
「……お母さん何やってるの……」
お母さん?
「私とお母さんって並べると双子か?って言われるレベルで似ていてさ。時々お父さんがお母さんと間違えて襲ってくるから家帰ると自室から基本的に出ないんだよね」
「家庭環境複雑だね」
「で、あの下僕とやらはどうするのじゃ?」
忘れてた。
「えーと、クエストの内容なんだけど、あの人ぶっ飛ばしてください。全力で」
「理由は?」
「現在新しく魔王クエスト制作してるんだけど、そのクエストに繋げるため」
「報酬はでますよね?」
茜ちゃんが早速交渉に入った!
「私にできる範囲でなら」
「真宵ラボへのパスとパンジャンドラムのクエストを作らせてください」
「私利私欲!」
「私の家系は私利私欲の交渉が一番得意な家系だからね。ちゃんと[百鬼夜行]にも有益な交渉にして見せるから黙っててね」
お口にチャックですね。
「それで、何故それを要求するの?」
「やっぱり前者はいらない。だから後者だけで引き受ける」
「完全に私にできる事の範囲を超えてるけど?」
「ジャックくんにパンジャン研究の一環で必要になったって伝えれば許可降りると思うよ」
次回、ネコです死す。デュエルスタンバイ!




