レッドの受難
時は少しばかり巻き戻って、GMルームに幽閉されかけたレッドくんの回です
「なぁ、いつになったらここから出られるんだよ」
「こんにちは、レッドさん」
「あんたは?」
「そう…ですね。強いて言うならば、あなたのクランが倒す目標に定めるべきGMとだけ」
「つまり、いわゆるヴィランって存在なのか」
「闇堕ちした方が力を手に入れ安いですからね。ああ…要件を伝えて帰した方がお互いに都合がいいですね」
「じゃあ早く要件を言えよ」
「自分だけの戦隊ロボ、製作可能ですよ」
「詳しく」
「単独で製作可能な存在だと、ギミックの女王の姉が今だと一番近いですね」
「あそこか…って事は工業を学べって意味だな」
「いえ。魔法を極めても作れるようになりますよ」
「なんか含みのある言い方だな」
「ええ、まぁ、それぞれデメリットが存在しますからね」
「魔法の方はアレだろ?自分の魔力が尽きると動かなくなるってことだろ?」
「おおむねその通りです。工業の方は素材コストが論外と呼べることでしょうね」
「一つ疑問に思ったんだが、あんたさ、こんな風に敵に塩を送っていいのかよ」
「実は私も特撮好きでしてね。ヒーローとして振る舞えばより上の権限を持つGMに粛清されかねないので、ならば悪の親玉として、活動しようと思いましてね」
「なるほどな。俺達があんたに新しい特撮として娯楽を提供していると」
「はい。あなたのクランのメンバーにGM用のカメラを取り付けてますので今度怪人を送りますね」
「分かった。あいつらにも伝えとくわ。てか、GMって普通に遊べるんだな」
「ええ。上位GMに限りますがね。このゲームにおいて最強のプレイヤーは誰かと聞かれると現状はGM達と答えざるを得ないのですよ」
「そこまでか」
「ああ、私と連絡を取るためにGMコール欄に"闇の帝王"と言う名前で疑似的なフレンド登録をしておきましたので」
「ん?待て、なんでカメラを俺らに付けてるんだよ」
「撮影したデータは私は確認せず、ジーク殿に確認してもらい、問題がないようならあなた達に提供しますので、オリジナルの特撮を作り上げてください。怪人はいくらでも作りますから」
「あんた自身がそれに出演することは?」
「今のままだとレベル差による圧倒的な力の暴力になりかねないので」
「そうか…ベルト系の変身道具って作れるのか?」
「少々お値段が張りますが、ギミックの女王にオーダーメイドを頼むのが一番早いはずです」
「分かった」
「そうですね、仕様書はしっかりとしたモノの方が早く出来上がるはずですよ」
「……なぁ、あんたが作ったりは?」
「残念ながら、私の生産はモンスターを創ることしかできないので…」
「了解。そろそろ帰らせてくれ」
「ええ。また会いましょうね」
書いてて気がついたこと。真宵が万能すぎる(主に生産方面で)




