防具を買いに
11話目です。
良かったら感想を下さいね。
俺は砂糖天麩羅屋に行く前にある魔法を見つけた。
それは特殊魔法の”一致複製”、”亜空間収納”だ。
一致複製は対象を複数増殖させる魔法でドーナッツの場合、一個あれば無限に増やせる。
次に亜空間収納は亜空間を創り出してその中に出し入れが出来る。
でも、これが茜に知られると色々と面倒臭い事になりそうだから黙る様にしよう。
「さて、行っくよ~。砂糖天麩羅屋に!」
「ハイハイ、行くぞ。」
宿を出て、昨日行った砂糖天麩羅屋にまた行く。
今日はヨーグルトっぽいソースが掛かった砂糖天麩羅を食べる事にした。
食べると、やはりヨーグルトの味がした。
でも、本当に美味しい。
一個だけ残して食べ終わった後、試しに一致複製を使ってみる。
茜に隠れてな。
「特殊魔法 ”一致複製”」
すると、砂糖天麩羅が二つに増えた。
次に収納をしてみよう。
「特殊魔法 ”亜空間収納”」
少し小さな亜空間を創り出して、増えた砂糖天麩羅を入れた。
そして、閉じると亜空間は消滅した。
これをもう一回やると取り出せれるという事か。
まあ、茜には黙っておこう。
「よし茜、防具屋に行くぞ。」
「え~、何で?」
「安全のためだ。」
茜にそう言い聞かせて俺らは防具屋に向かった。
防具屋はファンタジー世界にありそうな外見をしている。
でも、目立つからいいんだけど。
「いらっしゃい、何か用か?」
「ああ、二人分の防具が欲しいんだ。出来れば軽いのを。」
「分かった。三種類あるが、どれがいい?」
そう言って持ってきたのは全部服の様なものだった。
本当に防具か疑う程の薄さだ。
しかし、防具屋に売っている程だ、一様ウインドウで確認してみるか。
〈鉄布の鎧〉
鉄を布の様に薄くして鎧に加工したもの。
速く動けるが、防御はいまいち。
〈駿鉱の鎧〉
魔鉱石の一種、駿鉱石を加工したもの。
しかし防御を専門にしているため、ほぼ普通の鎧と同じ。
〈鷲羽の鎧〉
魔鷲の羽毛と魔鉱石の一種、頑鉱石を加工したもの。
速さと防御、軽さの三つを兼ね合わせた初心者には高級な防具。
条件は言ったのは悪いが、こんなに悪いもんなのか!?
唯一あの鷲羽の鎧が良い位で、残りがとても酷いな。
よし、鷲羽の鎧にしよう。
防御も軽さも申し分ない。
お金は多分大丈夫だろう。
「店主、鷲羽の鎧を二つくれ。」
そう伝えると店主は困った顔をしてきた。
「いやぁ、ありがとさん。でも、今は在庫がこれ一つしかないんだ。欲しいなら材料を持ってきてくれないか。」
「材料って何なんだ?」
「頑鉱石はあるのだが、魔鷲の羽毛が足りないんだ。そもそも魔鷲は危険な魔物だから、無理はしなくていいのだが……。」
「分かった、そいつを倒そう。どうしても二人分欲しいからな。そいつは何処に居るんだ?」
「恐れ多いな、お客さん。魔鷲はロンゴウ谷周辺に多い。ここから少し離れているから、行くなら気をつけてくれよ。」
「ありがとな、店主。」
さてと、狩りに行くか。
そういえば、茜は何処に行った?
三時間後、街の隅に追い込んで漸く捕まえた。