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初陣

レイと焔は町から少し離れた草原に来ていた。

町の軍がボードを貸し出していたらしく、昨日とはデザインの違うものを焔が持っていていた。

草原には大量のスライムが徘徊していた。

スライムはレイ達を見つけると一斉に攻撃を仕掛けてきた。

焔は「お手並み拝見」と傍観を決め込み少し離れる。

レイはこの状況で最適な魔法を探す。

生前、戦場での戦闘経験豊富なレイは集団戦の心得がある。その経験に基づけばできるだけ敵を1箇所に固めるのがよい。死角からの攻撃に警戒する必要が減るからである。

多重障壁(パイルバリア)

複数の障壁を展開し大量のスライムを受け止める。

スライムの数は30程度、近くにいたものだったので、

全体としてはまだまだいるのである。

障壁のうちスライムたちと接触している1枚目以外を襲ってきたスライムを取り囲むように移動させる。

包囲が完了すると飛行魔法で上空に回り込み範囲魔法を発動する。

鎌鼬(カッティングウィンド)

障壁内に竜巻が起こり取り込まれたスライムが切り刻まれる。

それはさながらミキサーのような光景であった。

仲間が倒されたことに反応し残ったスライムが集まり合体し一体の大きなスライムがあらわれる。大きさは30メートルほどだろうか。

焔は知っていたようでむしろここからが本番と言う顔をしている。

レイは一瞬驚いて目を見開いたが何とか持ち直した。

1人余裕そうに傍観している焔のド肝を抜いてやろうと考える思考力が戻るくらいには冷静になれていた。

どうしたら驚かせられるか考えてみたが魔法の難易度が分からないレイは彼女が自信満々に使っていた魔法を見せてやろうと意地の悪いことを考えた。

この間、スライムから触手のようなものが出て攻撃を仕掛けてきていたが、最初に出していた障壁で身を守っていた。

攻撃の隙をついて上空へ移動する。

火龍繚乱(かりゅうりょうらん)

炎の龍が巨大なスライムに突撃する。

そのままスライムを焼き付くしそこは何も無い野原になった。

レイが振り返ると今度は焔が目を見開いていた。

近寄って「どうかしたか?」と問いかける。しかし、その顔には「どうだ!!」というのがでてしまっている。

フリーズしていた焔は顔を左右に振って正気を取り戻すと

「なんであんたがソレを使えるのよぉぉぉ」と泣き叫び出してしまった。

おかげでレイは謝罪と慰めを繰り返す羽目となった。

どうやら火龍繚乱は彼女の作り出したオリジナル技だったらしい。結果レイには火龍繚乱禁止令という謎の命令が出されてしまった。

二人は町に戻るため歩き出した。

「あれはなんだ?」

まだ焔はブツブツ言っていたが、急に振られた話題に答える位はしてくれるようになった。

「どういうこと、こんな所でガーゴイルが飛んでいるなんて」

「倒してくれる」という問いかけに無言で頷き空の魔物に急接近する。魔法の射程範囲に入りガーゴイルが何かを追いかけていたのだと認識する。鎌鼬でまとめて片ずけるつもりだったがプランを変更する。

炎弾(えんだん)

火球がガーゴイルを焼き払う。その奥には鷹がいたがフラフラと墜落しそうである。

鷹を拾い焔の元へ戻る。鷹を見た焔は鷹の足に付けてある筒を取りその中から巻物を取り出す。

(この世界に衛生を飛ばす技術力はないので携帯などの端末通信機は存在しない)

巻物を読んだ焔は驚愕の表情を浮かべた。

火炎(かえん)の国が魔王の手先に襲われているらしい」

火炎の国はもうひとつの火属性の国である。

二国間は比較的近い場所に作られているのでここからでもすぐに迎える。

レイが鷹を抱え二人は火炎の国へ向かった。

鷹が持ってきた巻物はレイが転移の魔法でギルドに送った。(ギルドに送る判断したのは焔である)

二人が到着すると倒れている魔物と人、荒れ狂う炎と押しかける魔法の殴打まさしく地獄である。

「爆煙」

焔の魔法がモンスター軍の中心で発動する。

円形に爆発が起こり敵軍にぽっかり穴が空いた。

お互いの軍が突如あらわれた第3勢力に呆気を取られている。レイがすかさず追撃を仕掛けようと動いたが地中から突き上げてきた水の柱を回避し行動を中断する。

「おやおや、少し面倒くさそうな人達がきましたねぇ。

お嬢さん今の範囲攻撃の威力かなりの手練ですね。

そしてすぐさま追撃に動いた坊やも只者ではないのでしょう」

突如前に進み出てきた男が恭しく一礼する

「そういうあんたは誰なのよ」

静かな怒りを感じさせる口調で焔が問う

「私の名前はメルーシュ、魔王七勇士の1人でございます」

焔は顔を強ばらせた。

魔法七勇士とは魔王直轄の作戦行動隊長である。

つまり、本物のバケモンが目の前にいるのである。

レイには相手の名乗ったことの重大さが分からないが

相手の気配で圧倒的強者であることを理解する。

焔はレイに「後ろの雑魚を相手して」と頼まれたが、

メルーシュからは絶対に目を話さないことを心に決めた。



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