表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

レイと少女2

焔のガイドでやってきたのは服屋だった。

焔曰くレイのジャージ姿がダサかったからだそうだ。

お金など当然持っていないレイに「出世払いでいいわよ」と言って店の中に連れていった。

店の中は広くカジュアルな服からパンクな服まで幅広い品揃えである。「町で1番の服屋なんです」と店主が言う。レイは見たこともない服に興味津々で生返事しか返せなかった。

レイにファッションの拘りがなかったのは彼がいた世界に様々な服がなかったからだろう。

しかし、レイにはセンスがなかった。いや、知識がないと考えれば許せるかもしれない。

彼は上下ジャンルの違うものをことごとく選んだ。

(彼としては様々な服を着てみたいという欲が出てしまったのだけなのだが)

3回ほど着替えたところで、焔の堪忍袋の緒が切れた。

「どんなセンスしてたらこうなるのよ!もういい、私が選んであげる」

焔の選んだ服はレイにとてもよく似合っていた。

(今更だが、彼は綺麗な金髪で色白の少年である)

全体的に黒を基調とした落ち着いた服装である。

動きやすいだけでなく、通気性もいい優れものだった。

その後追加で2着ほど購入することにした。

服が決まった雰囲気を感じ取ったのか店員が「お決まりですか?」と尋ねてきた。レイを見て「良くお似合いです」と言われレイは照れくさそうに、「ありがとう」といい、焔は自身のセンスの良さにドヤ顔をした。

会計の際に先程とは違う店員が「まさか、焔ちゃんが御使い様とデートとは驚いたよ」とからかうと、

「そんなんじゃないから!からかわないでよおばさん」

と慌てて否定した。

レイに女の子と遊びに行った経験などなかったので彼も照れ隠しに顔を下に向ける。

「そんな反応しないでよ」

誤解されるでしょ!と付け加え焔はレイにいいよった。おばさんは微笑ましく思い終始その光景に見入っていた。

店を後にし次に訪れたのは木とコンクリートが融合した不思議な雰囲気の建物だった。

そこは冒険者組合(ギルド)である。今世界に残っている各国ごとに1つ存在している。

ギルドの仕事は主に2つ、1つは町の人や国からの、クエストの案内、もう1つは他の国へ行くためのパスの配布である。

パスとは簡単にいえば身分証明書、顔写真と名前、出身国が書かれており、これがあれば他の国へ入ることも、その国のギルドでクエストを受けることも出来る

(ちなみに、商人には別のパスが配布され、それは他国に入れるだけでクエストは受けられない)

レイも早速登録を済ませる。

この後も町を見て回り彼は1日を満喫した。

焔は別れ際に「明日、朝10時に冒険者組合(ギルド)に来て」と言い残しフラフラした足取りで自宅に入っていった。

冒険者組合(ギルド)に行ったあとは行かなければいけないところがなくなり、連れ回してしまったことをレイは悪いことをしたなと思った。

レイは町の中心のビル(話し合いをしたビル)にある客間でしばらく生活をすることになっている。

部屋は和室になっており、これまたレイに驚きと感動を与えた。

食事はここに着くまでに、待っていたのであろう火野に連れられて、済ませた。部屋にあるシャワールームで汗を流し、服屋で買った服の1枚であるパジャマに着替える。布団に潜り込むとすぐに睡魔に誘われて彼は夢の世界に旅立った。


目が覚めると時計は7時を指していた。転生前の生活リズムが染み付いているおかげで彼に時計のアラーム機能は必要なかった。

もしかしたら、この状態こそが夢ではないのだろうか?と思っていたが眠る前と同じ部屋の景色と畳の匂いが彼に現実だということを実感させる。

顔を洗い部屋に置いておいてもらったパンとコーヒーを朝食にした。インスタントコーヒーをいれていて便利な世の中だ、と思いそれに馴染んできている自分に苦笑した。

焔の指定した時間の5分前にレイは到着した。焔は時間通りにあらわれた。

二人はカウンターで出来上がったレイのパスを受け取った。彼のパスの名前の欄には「黒木 零(くろき れい)」と書かれていた。これも焔の影響である。

彼女からこの世界らしい名前(あて字)をつけてくれると言われたのでお願いしたのだ。

「早速だけど、あなたの戦闘力を見せて貰うわよ」

唐突にそんなことを言われ「何故?」という眼差しを返した。

それを察したのだろう

「あなたはまだ攻撃するための魔法を見せていないわ。恐らく風の属性なんでしょうけど、手の内が分かれば私も手助けしやすいでしょう」

と続ける。

「ついてくる気なのか?」

これは本心で尋ねたのだ。危ない旅になることはわかっている。ある程度なれたら1人で魔王討伐に行くつもりだった。

しかし、焔はからかわれたと感じたようだ。

しかめっ面をしてレイをみている。

「私だって弱い訳じゃないのよ。あなたとは、相性が悪かっただけ。あまりバカにしないでくれる」

焔は少年少女の魔法部隊「陽炎(かげろう)」の隊長である。陽炎のコンビネーションと一人一人の魔法の力は高くある程度の大人の部隊より強い。

咳払いをして、レイに1枚の紙を見せる。そこには

「スライム討伐」と書かれていた。

条件はこの近くの草原にたむろしているスライムをできるだけ環境に被害を与えず倒すこと。

(火属性を扱う者が多いため、森や林を焼かないようにするための注意喚起だ)

スライムは弱い魔物らしく。小手調べにはもってこいと言うことだった。昨日からキープしておいたのか、

手続きはすぐに済んだ。

二人は草原に向けて出発した。



昨日投稿したつもりが、できていませんでした。

この後もう一本あげられると思うのでそちらもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ