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到来

1話を閲覧しこちらに来ていただいた方ありがとうございます。

最近は昼と夜の気温差が激しくなっております。

皆様体調にはお気をつけください。

光が少し弱まったところでレイは目を開けた。

そこには見たこともないような沢山の四角い建築があった。レイはなぜかそれがビルというものだと理解した。

彼が元からいた世界は中世のヨーロッパに近く、職人が腕をふるっていたために同じような見た目の建築はあまり無かったもなかった。

そして町は球形にかたどられており、高い壁で周りを囲われている。

レイはその壁の外側に落とされた。

正面には入口らしき者があり、門番らしき人物2人が急に降ってきたレイに困惑し壁の中へ走り去って行った。

レイは自分の格好が変わっていることに気がついた。

上下、紺色のジャージでサイドに白い縦線が1本入っている。

傍から見ればダサいの一言なのだが、服にこだわりのないレイはジャンプしたり、軽く動いたりした後、

動きやすい。という感想を思い浮かべ、この服をくれたであろう2人に感謝した。

まずは壁内に入り情報でも集めようと思ったレイが門をくぐったその時、男女10人が彼を包囲した。

「止まれ、貴様が今光に包まれてこの熾火(おきび)の国に害を与える者か」

正面に立っていた同い年より少し幼げな少女がレイを睨みつけながら問いかける。

白い服に黒のスカート、赤いマントコートを羽織っている。強い口調だがやはり顔立ちは少女そのものである。

「待ってくれ、確かに俺はあなた方のいう光の中にいた。しかし決してあなた方に危害を加えるつもりはない」

彼らは一斉に片手をレイに向けている。

彼らの行動の意味はわからないがとりあえず両手を上げて相手の出方を見ることにした。

「では、どこの国のものだ。火光(かぎろい)か、

燭光(しょっこう)か」

「残念ながらどちらの国でもない」

そう言い終わると同時にレイの周囲から大量の火炎が迫り来る。

レイは反射的に回避しようとした。すると頭にひとつのイメージが浮かぶ。そのイメージに従い体を動かすとレイの体は空中に浮遊した。

そのまま地上から25mの位置で停止した。

(まるで子供のときから使えたみたいだ)

「よし、炎を止めろ」

少女の指示に従い全員の炎が消滅する。

「なに!!」

彼らの顔に動揺が走る。今の短時間で骨まで消えることなどない。つまり、敵を仕留められていないということだ。

「どこに行ったんだ」

「まさか、町に向かったんじゃ」

それぞれから不安の声がのぼる。

「おーい、こっちだぞ」

このまま彼らがあたふたする様子を見て楽しむのはレイの趣味ではない。

すぐに位置を知らせることにした。

「あいつ飛行を使えるのか!」

「上級の魔法使いしか使えないはずだろ」

「あんな奴の相手俺たちに務まるのか」

今度は別の意味であたふたしだす彼らにレイはやれやれと一息着いた

炎弾(えんだん)

炎の塊がレイに向かって飛んでくる。

レイはそれを軽く躱して声の方向に向いた。

炎弾といはれる炎は先程の少女から放たれていた。

「諦めるな!!ここで食い止めていれば援軍が必ず来る。今1番されては行けないのは、簡単にここを突破されることだ」

少女の心に後押しされ彼らの指揮が上がる。

鬼火(おにび)

少女4人が発動した魔法によりレイの周りに青い炎が漂い始める。

拡散炎弾(かくさんえんだん)

5人の少年が発動した魔法は、その名の通り炎の玉を拡散させて飛ばす魔法。

拡散させる性質から1つ1つの大きさは通常の「炎弾」よりも小さいものとなる。

さらに増えた炎によりレイの逃げ場は完全に絶たれた。

(俺を直接狙って来ない)

拡散炎弾はレイに向かってはひとつも飛んでこなかった。

火龍繚乱(かりゅうりょうらん)

人を丸呑みできるであろう大きさの炎の龍が味方の炎弾や鬼火を吸収し、さらに大きくなり迫り来る。

勝った!と彼らは確信した。今まで彼らのこのコンビネーションを破ったものはいない。これは彼らの必勝パターンであり、この技の練習を彼らは特に熱心に取り組んできた。

レイは頭に浮かぶ魔法の中でこの場を乗り切る最前の手札を切った。

風神の咆哮(ハルウィンド)

レイの周りに球状に風の障壁が形成される。

障壁は炎を飲み込みながら膨張と上昇を行い上空

約100m(外壁は高さ約40メートル)まで到達し四方に弾け飛んだ。

「唖然」今の彼らを表すには最適の言葉だった。

10人の力を合わせた渾身の一撃を完全に無力化されたショックは計り知れないだろう。

レイは再び25m地点まで降下する。

彼らの顔を見てどうするかと悩んでいると何やら焦げ臭いが感じた。右腕の手首の部分に火の粉がつき燃えようとしていたのだ。レイは急いで服の右腕部分を引きちぎり、露出した腕に謎の証があることに気がついた。

魔法陣の上に羽があるデザインである。

「大丈夫か!!」

町の中心の方から発せられた声の方向では、5人の男女が空を飛びながらやってきた。

先頭を飛行していた50代くらいの男がレイを見つめる。そして腕のマークを見て少し驚いた顔をした後

レイに向かって頭を下げた。

「御使い様、数々のご無礼お許しください」

このセリフにはレイが面食らった。

「御使い?俺が?」

「はい、その魔力のこもった刻印が何よりの証拠。

貴方様こそ我々の救世主とななるお方だ」

突如訪れた男によりレイは町の中心の一際大きなビルに連れて行かれた。

本作を読んでいただきありがとうございます。

今回も楽しんで頂けましたか?

これからも頑張っていくので、応援していただけると幸いです。

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