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決着2

メルーシュは思考が止まっていた。

周りの人々も驚きを禁じえなかった。

それだけレイのおこなったことは異常だったのだ。

他人の魔法が継続中に同じ地点に新たな魔法を形成することは有り得ない。たとえ魔法使いの2人に圧倒的実力差があったとしてもそれはこの世界のあり方からして不可能なのだ。

思えば呼吸の時からおかしかった。メルーシュは始め敵のロボットに酸素ボンベでも入っているのを操作したのだと思っていたのだ。

ロボの内部なら水が侵入しておらず魔法領域の外部であり、レイにも操作できるからだ。その後メルーシュの領域を押しのけて魔法を継続させ空気を移動させることは可能だ。しかし、そんなことをすれば操縦者が窒息死する可能性もあるし、そもそも、取り込んだ全員を賄える酸素もない。不可能なはずの領域の上書きが行われたと考えるしか思いつかないのだった。

レイがいくら天から能力を貰ったからといって、世界の(ことわり)を無視することはできない。

レイは直接空気を送ったのだった。少しでも調整を失敗すれば対象者が内部から損傷し最悪死に至る。

また、見えない肺に作用させるのは至難の技だ。

(分かりやすく言えば、理論としては可能だが実践して成功することはまずありえないレベルである)

これを可能にしたのは、魔術大全(アナーキー)により透視と感覚同調の役割が大きい。

透視は肺の位置を確実にするため、感覚同調は空気量の調節のために使用した。

この世界でこのようなまほうの使い方をしたのはレイが初めてだった。

その後送った空気をそのまま体外に出し、はじけさせることで全員を助けることに成功したのだ。


(ばらばらにされたのはむしろ好都合だ)

メルーシュの意識は水の巨人とひとつであった。

水の量によって体を大きくしたり小さくしたりもできる。またありとあらゆる形に変形したり、個体や気体になることもかのうだ。

(あれを回収してさっさと逃げよう)

メルーシュの生存のための奥の手どんな攻撃を受けようとも決して倒されることのない体で行動する魔法その唯一の弱点は魔法発動、継続に魔王から貰った魔杖でのみ発動できる「変幻自在(アムブロシア)」だということ。つまり、杖が破壊されてしまうと魔法が解けてしまうという点である。

そのためにメルーシュは杖だけは何があっても死守しなければならない。

(ない、ないぞ。確かここで発動したはず)

最後に杖を使用した場所には何も残っていなかった。

「探し物はこれか?」

そこに忌まわしい声が響いた。

「これがお前の弱点なんだろ?」

そこには、声の主が杖を横向きに両手で持っていた。

(それを返せ!)

「じゃあな」

レイが杖をへし折った。

(ク・・・ソ・・・野郎が・・・)

レイに飛びかかろうとしていた小さな水の塊は空中でその形を保てなくなり、そのまま地面に落下した。


レイ達は魔王軍七勇士の1人に完全勝利を飾った。

残っていたゾンビはメルーシュの魔法で呼び出していたのでメルーシュの消滅と同時に消えた。

「終わったのね」

背後から焔が駆け寄ってきた。

「ああ、それより怪我をした人は・・・」

レイはバタリとその場に倒れた。


気がつくと白い天井が目に入った。

「目が覚めたかい?」

声の方向では奈々美が資料に目を通していた。

「ああ。 ここはどこなんだ?」

「医務室だよ。煙の施設内のね」

なんでそんなところに?という顔をするレイを見て

覚えてないのかい?と微笑した

「簡単に言えば魔法の使いすぎだね」

奈々美曰く、レイには魔法の才能と誰にも負けないほどの魔力量があるという。しかし、魔法の連続発動による負荷に体が耐えられなくなったそうだ。

高位の魔法なら1回の戦闘で5発までそれ以外の魔法なら殆ど縛りがないそうだ。

「そんなことまでよくわかるな」

「君が寝てる間に検査装置にかけたのさ。

いや〜寝てる人間を脱がすのって手間がかかるだねぇ」

「はぁぁぁ!!」

レイは顔を赤くして自身の体を何度も見渡した。

「おっ!やっと人間らしい反応をしたね、さっきまで機械と喋ってるようだったのに。

安心しなよ、脱がしたって言っても上半身だけだし、私がしたんじゃなくて男の職員だし。」

レイは はぁとため息をひとつく

ため息をつくと幸せが逃げるぞーと奈々美がいじる。

誰のせいだと返しつつ立ち上がる。

「俺はこの後どうしたらいいんだ?」

「焔ちゃんと合流するといい。彼女の所まで案内しよう」

奈々美に連れられたのは火炎の国の門だった。

そこには焔だけではなく熾火の国からの援軍として派遣された全ての人がいた。

「あなた、もう大丈夫なの!」

レイを見つけて驚いた顔で近付いてきた。

「もう大丈夫だ。焔こそ怪我はないのか?」

「ええ、私は大丈夫。軽傷者は何人かいるけど貴方のおかげで重傷者も死者も出てないわ」

とりあえず熾火の国に帰るということでレイ達は移動を始めた。


今週中に何本か投稿できるとはなんだったのか・・・

あれから3週間くらいたってしまいほんとうに申し訳ありませんでした。

もう見る人もいなくなってしまったのではないかと思いながら今回は書いておりました。

私が何日に投稿できるかも、とか言うのはもはやフラグなので今後は言わないようにしたいと思います。

今回の豆知識

「最近DBD始めました。あれ楽しいですね(笑)」

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