表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

転生

日を追うごとに寒さが増す今日この頃皆さま雪はもう見ましたか?私は見てません。本日初めてこちらで作品を投稿させていただきました。楽しんでいただけると幸いです。

俺はただ多くの人を救いたかった

物心着いた時には、誰かの役にたちたいと思っていた。それは、親に言われたからか、何かを見て影響されたからかはもう忘れてしまった。

しかし、この胸に抱いた思いは本物でそれを自身の生き方としてあり続けた。

それに気づいたのは18のときだった。人々を救うには俺1人では無理だと。救いを求める声は救っても救ってもなくならず20のときには絶望していた。

そのときには、自身に直接頼んできた者の頼みしか聞かなくなった。それが善か悪かは立場の問題でしかないと開き直り己の力を振るった。

そして、今日王に言われ駆り出された戦場で俺は死んだ。


目を覚ますとそこは今まで見たことがないところで座らされていた。 白を基本として作られた部屋には長机と椅子しかなく正面にドアがついている、部屋の壁のひとつが全面ガラス張りで開放感を与えていた。

窓から見える景色は青い空と白い雲。雲が部屋の下から流れて行っているのはなんとも不思議な気分だった。

綺麗なところだ、などという呑気な考えをしていると不意にドアが開いてそこから男女2人組が現れた。

男の方は黒のスーツ姿、メガネをかけていて髪は5・5分けになっていた。女はベージュのスーツ姿をしているショートボブで、いかにも新人社会人という張り切った感じが出ていた。

「こんにちは、レイ・クロキス私たちは君の案内役だ」

話を切り出したのは男の方、いきなり自身の名前を言い当てられたレイは2人を「変な格好をした奴ら」から

「自身に何らかの影響を与える者たち」として捉え直した。そんなことを考えると自然に顔に出ていたのか女の方が「落ち着いて聞いてくれる?」と話を続けた。

「私の名前は琴乃葉美鈴(ことのはみすず)こちらの堅物そうな男は片桐連(かたぎりれん)、私たちの仕事は死んだ者の魂を導く案内人、今回は貴方の担当になりました。」

レイの頭には?の文字しか浮かばなかった。

彼からしてみれば、聞いた事のない珍しい名前に現実離れした彼らの身分、これを簡単に信じろという方が無理である。自分が死んだことは事実だが彼は死後の世界など信じていなかった。しかし、彼らはそんなレイを気にすることも無く事務的に説明を続けた。

「普通ならば死んだものの魂は前世の記憶、人格を消去して新しい命として送り出します。しかし、貴方は多くの善行を積みました。ここ天界の規定により貴方はなにかひとつ望みを叶えられることになっています」

待ってくれとレイは思った。自分は何も善行を積んでいないと、俺は周りに流されていただけなのだと。誰かに頼まれたから行動しただけの人形同然だと。その中には当然人を殺すこともありそのような恩恵を受けられる立場ではないと、その思いを見透かしたかのように今度は連が言葉を発した。

「我々の判定基準はあくまでその者の心のあり方だ君の心に常にあったのは誰かの役に立ちたいというものだった。だから我々は君の願いを叶えると言っているんだ」

連の言葉には何故か否定を許さない程の圧力を感じた。それは、人としての欲望なのかもしれない。理由を見つけそれを建前とし楽な方へと進むあり方なのだった。

「願いって言うのは例えばどんなものがあるんだ?」

だから気がつくとレイの口からこの言葉が漏れてしまっていた。

「本当になんでもいいんですよ。例えば、来世はお金持ちの家に産まれたいとか、好きな人と来世でも出会いたいとか、でもさすがに多くの人に干渉するのは無理ですね。貴方が言いそうなのでしたら、全ての人を救って欲しいとか」

美鈴の発した最後の一言がレイの願いを決める決定打となった。

「俺は今まで周りの頼みで人を救ってきた。でも最後くらい俺自身の意思で誰かを救いたい」

それがレイの望み死んだ後でさえ彼のあり方は変わらなかった。いや、正確には初めの頃に戻ったのだ。

そのセリフを聞いて、2人はポケットから取り出した端末をレイに見せた。

「現在、多くの人が救いを求めている。小さなものならそこに住む人々が助け合い解決するでしょう。しかし、魔物や魔性に襲われている世界もあります」

そう言って端末上に移し出された世界の数は4つ

「どれにする?」と美鈴が興味深そうに目をきらきらさせ、連が「早く決めろ」と面倒くさそうに見ている。

そんな2人の目線を意識から除外し思考を巡らせる。

要した時間は10秒程度、少し深呼吸をしてレイは

「全部!!」

と口にした。その発言に美鈴はポカンと連は呆れ顔でため息をついている。

「今まで多くのやつを見てきたがここまでの阿呆は初めてだ」

確かに傍から見ればレイのしていることは面倒なことに首を突っ込んでいるだけだ。それでも、レイに後悔はなかった。

ため息を1つ着いて連が説明を始めた。

「この4つの世界はそれぞれが特徴を持っていて君のいたような己の体1つで生き残ることなど出来ん」

「でも、叶えられる願いは1つなんだろ?」

「そうだ、だから他の者と同じようにランダムに能力が発現するだろう」

ランダムでどうにかなるのか?という顔でレイが連を見つめる。その考えを読み取り、美鈴が続きを引き継いだ。

「人々を救うことは、元々私たちの仕事です。なので貴方に手伝ってもらうにあたり、なるべく扱い安い能力が手に入るようにしておきます」

説明を聞き終えレイはやる気に満ち溢れた顔でわかった。と頷いた。

では、目を閉じてくださいという美鈴の指示に従う。

すると体が浮遊する感覚に襲われる。目を閉じても突き刺してくる眩しい光に覆われてレイは第1の世界に飛び立った。


本作を読んでいただきありがとうございます。

初めてなものでまだ至らぬ点もあるかと思いますが

生暖かい目で見守っていただけると幸いです。

改善点などございましたら指摘していただけると幸いです。

pixivの方でも同じ名前で二次創作を投稿しはじめました。そちらも閲覧していただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ