8、彼女は理想の女の子?〜ヒロインのお話〜
乙女ゲームに於けるヒロインというのは、大事な柱の一つだと思います。
魅力的な攻略対象?もちろん重要なポイントです。
世界観?設定?それも大事です。
ヒロインの存在はそれに匹敵するくらい大事だと思うのは、私がヒロイン厨だからだけではないと信じたいところですが……あ、ヒロイン厨って言うのは『俺の嫁』ならぬ『うちの娘』みたいな感じでヒロインを愛で、時と場合によっては『貴様なんぞにうちの娘をやれるか、ボケェッ』とか妄想の中で攻略対象をフルボッコにすることも辞さない輩のことです。
別に『俺の嫁』でも構わないんですが、私の中では『うちの娘』ですね。
そんなヒロイン厨が書く『ヒロインについて』なので、かなり偏った意見になるかもしれないことを予めご了承いただけますと幸いです。
まず乙女ゲームのヒロインの年齢ですが、だいたい15〜20歳くらいがスタンダードです。
20歳越えしてるヒロインもいますが、そんなに多くはないですね。コンシューマでは稀、だいたいがPCゲーム……特に18禁物のヒロインになるかと。
18禁と言えば、そこに出てくるヒロイン、攻略対象は大人の事情もあって全員18歳以上であることは暗黙の了解です。乙女ゲームに限らず、ギャルゲーでもBLゲームでもメイン扱いのキャラクターはそうです。
メーカーによっては起動画面後の注意書きで『登場人物は全員18歳以上です』と明記してあるとこもありますし。
たとえいかにもな学生服を着ていても、ロリショタっぽい外見でも建前上は18歳以上なのですよ。
学校名とかも○○高校という表記ではなく、○○学園などとなっていたりするのはそういう理由もあります。
乙女ゲームには無個性ヒロインと個性有りヒロインとがいます。
なろうの乙女ゲーム物だと後者が多い気がしますね。
無個性ヒロインというのは顔グラなどはなく、CGなどに映り込むのも手や髪などの一部や後ろ姿などが殆どになります。
横顔などが描写されていても、目が隠れているような感じですね。
基本的に台詞らしい台詞はなくイベント中の会話選択肢がその代わりと言ったところでしょうか。
デフォルト名がない場合もあり、ヒロイン=プレイヤーと自己投影がしやすいタイプです。
私は自己投影はしない派なヒロイン厨なので、選択肢などから性格を編み上げ、僅かに描写される部位から容姿を想像して一人のキャラクターとして捉えていますけど。
個性有りヒロインの方はきちんとキャラクターデザインが成されていて、顔グラ、立ち絵などが存在しています。
また、性格付けもされており癖のないタイプからアクの強いタイプまで様々です。
中にはヒロインにボイスがある場合もあって、ヒロイン厨としては『いいぞ、もっと増えろ!!』とか思うんですが、現状ヒロインに声があるのは少数派ですね。
18禁乙女ゲームだとヒロインにもボイス有りのことが多いです。
やはり、あんなシーンやこんなシーンで攻略対象の声だけっていうのは萎えるので私が18禁乙女ゲームを購入する場合はヒロインに声付きって言うのは必須条件になります。
アニメ化したりすると、ゲーム時には声がなかったヒロインにも声がついて、そこは嬉しいとこだったりします。
個性が強すぎると、自己投影しにくいのでそういうヒロインは倦厭するユーザーも少なくはないですね。
キャラクターデザインがされている場合のヒロインの容姿は、世界観に合っていること、攻略対象とのバランスが良いことが一番だと思います。
なろうでの『乙女ゲームヒロイン』は異世界ものでも現代ものでもピンク色っぽい髪、という描写をテンプレが如くよく見ますが実際の乙女ゲームではピンク系統の髪色をしたヒロインも確かにいますが、十人十色です。
近頃だと淡い色彩系統か、赤系、茶系の色味が多いですかね。
金髪碧眼の乙女ゲームヒロインってのは案外少ないかも。
ヒロインを一人のキャラクターとして見るか、自分の分身として見るかはユーザーによります。
ユーザーに好まれるタイプのヒロインとしては、芯が強く、守られるより守る、いざという時は戦うことも厭わない凛とした子が受け入れられているようです。
私も好きなタイプですが。
一途で健気なタイプも乙女ゲームヒロインのテンプレですね。
ほんわか天然系なヒロインもぼちぼちいますが、天真爛漫な女の子というのは最近はあまり見かけないような気が……
ギャップ萌え、というのもありますのでかっこいい系女子が可愛いものが好きだったり、可憐な外見で男前だったりするヒロインもニーズはあるかと。
まあ、どんなタイプであっても塩梅は大事です。
一途って言うのは度を越すと我が強いってこと。
天真爛漫って言うのは、下手をしたら空気が読めないってこと。
健気は卑屈と紙一重。
乙女ゲームヒロインに高確率で装備されている『鈍感』スキルは行き過ぎるとただの無神経にしかなりません。
ヒロインのアクの強さを売りにする作品でもない限りは、その辺りはメーカーでも慎重に検討してほしいところです。
なろうでは悪役令嬢やサブキャラ、モブを主人公としたとき、転生ヒロインとして登場した場合、羊の皮を被った狼みたいに攻略対象を落とそうとしますが、中身が元ユーザーという設定なら仕方ないかなと思わなくもありません。
これは成り代わりを目的にする『ヒロイン』ではなく転生主人公でも言えることですが『乙女ゲームユーザーのイメージ』の側面の一つとして誇大表現気味に肉食傾向に描かれているのかも。
実際の乙女ゲームユーザーなら仮に乙女ゲーム世界に転生したとして、殆どは『ただしイケメンに限る』ならぬ『ただし二次元に限る』とばかりに傍観に徹するか回避方向で行動すると思うのは私だけでしょうか?
乙女ゲームの攻略対象なんて面倒くさい輩が殆どですよ。
彼ら用に用意されたヒロインでもなければいろんな意味で無理だと思いますわ。
次回は攻略対象について触れる予定です。