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番外編 ぼくのおねーちゃん

番外編第三弾でルビィ視点です。

ひらがなが多目なので読みにくいかもしれませんが、設定上仕方ないのでお許しください。

 ぼくのおねーちゃんは、とってもつよくて、やさしい人。

 いつもにこにこしてて、ぎゅーってしてくれて、あったかくて、いいにおいがして。おねーちゃんのそばにいると、しあわせでぼくもにこにこになる。


 そんなおねーちゃんは、いつもぼくのそばにいてくれる。ぼくがぎゅーってしてほしかった時に、ぎゅーってしてくれる。いっしょにあそんでほしかった時にはいっしょにあそんでくれた。

 おねーちゃんはまじゅつがとくいで、氷を作ったり、火をつけたりできるんだ。おねーちゃんにおねがいしたら、ゆきをふらせてくれたんだよ、すごいでしょ!

 おねーちゃんはぼくのだいすきなおねーちゃんで、じまん……じまん?のおねーちゃんなんだ。つよくて、にこにこしてて、あたたかくて、ぎゅうっとしてくれる、だいすきなおねーちゃん。




 でもね、おねーちゃん、このまえいたいかおしてたんだ。おねーちゃんが、血をながしてて、ぼくをだきしめてないて。

 きっとだれかがおねーちゃんをいじめたんだ。つよくてやさしいおねーちゃんを、いたいいたいして。


 おねーちゃん、ぼくをぎゅうぎゅうしてないて、でもまもるっていってくれた。おねーちゃん、いたいかおしてるのに、がまんして、まもるって。


 ……ぼくも、おねーちゃんまもらなきゃ。おねーちゃんいじめた人やっつけられるくらいに、つよくならなきゃ。

 わるい人やっつけたら、おねーちゃん、にこにこしてくれるもん。おねーちゃんには、にこにこしててほしいんだ。ぼくががんばらなきゃ。




「……止めるか?辛いだろ」

「やめないもん!」


 せんせーからうけとったけんが手からはなれてしまったぼくに、セシルせんせーはこまったようにぼくを見てきた。

 ……いきが、くるしい。ちょっとけんをふるだけで、ぼくはしんぞうがとてもどきどきしてて、うまくこきゅうができなかった。


 たいりょくぶそく。

 せんせーには、そういわれた。ぼくがおうちであそんでばかりだから、まだまだうごける体ではないんだって。

 ……ぼくが、おねーちゃんのうしろにかくれてたから、こんなにくるしいんだ。


「ぼくはおねーちゃんをまもるの!ぜったいに!」


 おねーちゃんがぼくをまもってくれたように、ぼくだっておねーちゃんをまもるんだ。そうしたら、おねーちゃんはしあわせになるし、ぼくもおねーちゃんがにこにこしてうれしい。


 いやだ、と首をふったら、セシルせんせーはまゆをさげてぼくのあたまをなでた。……セシルせんせーは、ぼくよりもずっと大きい。ジルはもっと大きい。とうさまは、もっともっと大きい。

 早く、大きくなりたい。おねーちゃんをまもってあげられるくらいに、つよく、大きく。


「その意気込みは買うんだがな……最初から無理して倒れられても困る」

「やっ!がんばるから!」

「頑張り過ぎは良くないぞ、お姉ちゃんに心配かけるし」

「……がんばるもん」

「今日は此処まで、な?明日もまたするから」


 セシルせんせーは、ひざをまげてからぼくのあたまをくしゃくしゃとなでてくれた。セシルせんせーは、大きくてずるい。ぼくも大きくなりたい。つよくなりたい。

 ぷーっとほっぺたがぽっこりしたぼくに、セシルせんせーはこまったようなえがお。……せんせー、こまらせたらだめ、おねーちゃんいってた。……わがまま、いっちゃ、だめ。


「……うん」

「よし、よく我慢したな。今はゆっくり強くなって、リズお姉ちゃん守ろうな」


 いい子だ、とぼくをなでてだっこしてくれるせんせー……ううん、今はおにーちゃん。

 おにーちゃんも、おねーちゃんにはやさしい。おねーちゃんは、「セシル君はツンデレですよ」っていってた。ツンデレってなにかわからないけど、おにーちゃんみたいな、おねーちゃんにやさしい人のことなのかな。


「セシルおにーちゃん」

「ん?」

「セシルおにーちゃんは、おねーちゃんすき?」


 ぶは!とおにーちゃんはのみものこぼしそうなかんじで、ふきだした。おねーちゃん見てたらぎょうぎわるいっておこられちゃいそうだ。


「すき?」

「……今のところ異性的には違う」

「ちがうの?」

「ああ。友達としては、まあ……うん、好きっちゃ好きだが……」


 おにーちゃんは、ちょっとほっぺをあかくして、ぼくからかおをちょっとそらした。


「俺は、あいつに救われたし、あいつに恩がある。それを抜きにしても、あいつの側に居る事が楽しいし、嬉しい。……あたたかくて、心地好いんだよ、あいつの側は」

「……すき?」

「……そうだな。きっと、守りたい、大切にしたいって意味で好きなんだ」


 リズには内緒だぞ?って、しーっとくちびるにゆびを当てて、ちょっとはずかしそうにわらったおにーちゃん。……おにーちゃんも、おねーちゃんすきなんだ。

 じゃあ、ぼくたち、おそろいだね。おにーちゃんも、おねーちゃんまもりたいっていってるもん。


「……おにーちゃん、ぼく、つよくなっておねーちゃんまもる。おにーちゃんも、いっしょにまもろ!」

「まあ、あいつが素直に守られるかは分からないから影ながらになるけどな。……ルビィが大きくなったら、一緒に守ってやるか」

「うん!」


 おにーちゃんとやくそくをして、ぼくはおうちに入ったおねーちゃんのところにはしりだした。


 おねーちゃん、まっててね。大きくなったら、ぼくがおねーちゃんをまもってあげるから。

 おねーちゃんのしあわせは、ぼくがまもってみせるんだ!


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