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プロローグ


痛い。辛い。苦しい。憎らしい。恨めしい。哀しい。そして……愛おしい。


目を開けているのか、閉じているのかすらも分からなくなるほどの暗闇の中で一人、沢山の感情がどこからともなく湧き出て不安を煽る。


何故、自分がここにいるのか。

どうしてこれほどまで沢山の負の感情に包まれているのか。

そもそも「自分」は誰なのか。


何一つとして分からない。

いや…ひとつだけ、分かっていることがある。

それは―――



「わたしは、ひとりぼっち…」


無感情のまま紡がれた言葉。

そう。「自分」が誰なのかわからなくても。

どうしてこんなに辛い思いをしているのか思い出せなくても。

それだけは、確かな真実。


「自分」はこの場所でひとり。

その不安から胎児が母親のお腹の中に居る時のように膝を抱え込んで自分自身を抱きしめる。

この暗闇の中助けを呼べる名が一つも思いつかず、差し伸べられる救いの手を期待することができない絶望の中、しかしなぜだか安堵する気持ちも湧き上がる。


誰もいない。アノヒトすら、いないのに。

ああ、そう。

でもこれでやっと、わたしは……



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