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迷子になりました

小説書くのはほんとうに久しぶりで、しかもよしたちゃん【@_yoshitarou_ 】達の企画に参加させていただきまして…!!!

ほんとに緊張でガクブルしてます

まだこのサイトの使い方がほとんど分かってませんが生暖かい半目でさらっと読んでいただければとおもいます!!!!


企画者様URL http://www.pixiv.net/member_illust.php?illust_id=40499481&mode=medium

「…ここはどこなの」


  夏休み。

  僕は京都にある母方の祖母の家に遊びに来ていた。祖母の家に来てまで怠惰に過ごすのはもったいない。

  そしてなによりせっかくの京都なのだ、観光がてら近くをうろつくことにしたのだが


「迷ってしまった…」


  僕が極度の方向音痴だとかそういうことではなく、京都の道というのは大変入り組んでる上に、似たような道ばかりで観光客に優しくない。

  そういうことだ。

  何回も言うが僕が特別方向音痴というわけではない。


「あーあ…楽しみにしてた舞妓さんも一人も見ないしなんなの。ここどこなの」


  いつのまにか、薄暗い路地裏のようなところに来てしまっていた。

  とても静かで人気の感じられない場所なので、なんというかタイムスリップしたような…そんな不思議な気分になる。


「晩飯までにはおばあちゃんち戻れるといいんだけど」


  ふと携帯を見ると、4時50分。まだ晩飯の時間まで余裕はあるだろう。

  かといって、余裕をぶっこいていたら帰れなくなりましたとなっては困るので急ぐことにする。

 ちなみに携帯は何故か圏外になっていて電話をかけることが出来ない。


「誰かに道を聞ければいいんだけど、人気がないんだよなあ…ん?」


  遠くの方でカメラのシャッターを切る音がした。

  近くに人がいるのだろうか、何度もシャッターの音がする。音は路地裏の奥の方から聞こえてくるようで、僕はとりあえずそちらの方向に進んでみることにした。


  もうすぐ路地裏から出そうだ、シャッターの音は少しずつ大きくなっていっている気がする。


 路地裏から出た瞬間、横から人が飛びたしてきた


「うわあっ」

 ゴツンッッ

「いってえ…」


 誰かと衝突してしまったらしい、尻餅をつくまでには至らなかったがおでこを強打した。


「あいたたた…あぁ、ごめんなさい。大丈夫ですか?」


ぶつけたおでこをさすっていると声をかけられた。

 どうやらぶつかった人は男性だったらしい。

 周りにはほとんど人気はなく、カメラを首から下げているところをみると先ほどからのシャッター音の主もこの人のようだ。


 男性は山高帽のようなものをかぶり丸眼鏡をかけていて、まるで大正の書生のような服装。髪型は癖っ毛なのだろうか帽子からあっちこっちに飛び跳ねていた。

 やっぱり京都だとこういう格好をする人がいるんだな。


「ええ、大丈夫です。僕の方こそぶつかってすません」


 僕がぶつけたおでこをさすりながらいうと、その男性は申し訳なさそうに笑う。


「いや、こちらこそ。私も猫を撮るのに無我夢中でしたから」


 ん?猫…?

 男性の足元をみると一匹の三毛猫がちょこんと座っていた。


「かわいい…」


 おもわず口から本音が漏れてしまう。


「かわいいですよねー!私、猫の写真を撮るのが趣味なんですよ〜!!」


 男性は先ほどとは違い、満面の笑みで言い放つ。

 あぁ、猫を撮っていたから僕に気づかずぶつかったのか。


「あ、こんなことをしている場合じゃありませんでした…早く帰らなければ。この辺りは危ないのであなたも早く家に帰られた方がいいと思いますよ」


 男性はおもむろに言い出した。


「あ、それが、その……迷子でして」


 迷子だと初対面の人に告げるのは思ったよりも恥ずかしい。

 僕は自然と声が小さくなる、相手に伝わったかどうか怪しい位に。


「迷子、ですか…それは災難ですね…」


 伝わっていたらしい。

 男性は頭をわしわしとかきむしると困った顔をした。


「えーっと、家の住所教えていただければ案内出来ると思いますよ。ここの近所ですか?」


 どうしたものだろう。あまり馴染みのない祖母の家の住所なんて覚えてる訳がなかった。

 確か祖母は昔民宿を開いていたと言っていた気がする、地元ではそこそこ有名だったんだと言っていたから知っているかもしれない。


「えーっと、なんて名前だったっけ…」


「どうかしましたか?」


  つい口に出してしまっていたらしい、男性は訝しんでいた。


「い、いえ…おばあちゃんの家に遊びに京都へ来たので、住所がわからなくて」


  そう伝えると男性はうむむとうなって黙り込んでしまった。

  どうしようか、携帯をみると時間はもうすでに5時を回っていた。



 →続く

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